1学期のワールドオリエンテーション「服」
小テーマとして「パリコレ」を切り口に、「服」について学びを深めた中3の人の発表原稿をもとにネット記事風にまとめました。
深い洞察がみごとです。(A.M)
パリコレから考えるファッションの在り方
パリコレにした理由
まず初めに、このテーマにした理由なんですけど、最初はなんとなくファッションの多様性について取り上げたくて、ファッションについて何も知らないけど、自分の中でパリコレは、ファッションの頂点ってイメージの強くて、そういう場所って服の多様性についてどう捉えているのかを調べてみたかったのでこのテーマにしました。
パリコレとは
パリコレっていうのは、一年に二回開かれるファッションブランド(DIOR.エルメス)の新作発表をする舞台の事を指します。
パリコレにも二種類あって「パリ・プレタポルテ・コレクション」と「パリ・オートクチュール・コレクション」の二つです。
「パリ・プレタポルテ・コレクション」は3月に秋冬コレクション、10月に春夏コレクションの日程で開催発表される。また「パリ・オートクチュール・コレクション」は1月に春夏コレクション、7月に秋冬コレクション、メンズコレクションも同じく2月と7月に開催されます。これらの総称としてパリコレと言われています。
パリコレを見ることができるのは、記者や、フォトグラファーなどのメディア関係者や、服を売る人とか、スタイリストなどのアパレル関係者など。政治家や芸能人を中心に招待され、一般の人が見ることはかなり難しくなっています。
オートクチュールとプレタポルテの違いは、
オートクチュールは、「高級注文服」という意味で、一点もので、プレタポルテに比べて、奇抜な感じ。プレタポルテは、「高級既製服」という意味で発表された約半年後に世界中のお店で大量販売されるものを表しています。
世界の有名なプレタポルテのコレクションは、主にニューヨーク・ロンドン・ミラノ・パリの順番で4都市で開催される。(これが4大コレクション)そして中でも、パリ・コレクションは世界的にも一番規模が大きく、世界でも注目度が高くなっています。
パリコレでヘアメイクを担当された、都竹正義さんにインタビューしてみた
ここからは、都竹さんの紹介などの軽くしたあとに都竹さんからインタビューしたことを自分なりにまとめてみたことを発表します。
都竹さんの紹介
都竹さんは、高学年クラスの保護者の方です。普段は美容室をご自身で経営されています。パリコレでは、二つのステージの観覧とヘアメイクを担当したそうです。実は、パリコレっていうテーマだったので一次情報を取るのが難しくて悩んでいたところに、スタッフが紹介してくれました。
先程説明した感じで、パリコレって各ブランドの雰囲気に合わせてステージを変えて、披露されていて、都竹さんが見たものは、美術館と教会で行ったもの二つだそうです。ヘアメイクは日本人モデルさんを5~7人ほど担当した、とのお話でした。
都竹さんは、そもそもパリコレに関わる予定ではなくて、パリコレとは別のモデルさんの撮影をしようとパリに行っていました。撮影とヘアメイク合わせて約7日~10日ほどパリにいたそうです。そのところに偶然、都竹さんの友人の知り合いの方がDIORのマネージャーさんで、「人手が足りないから出てくれませんか」と声がかかったそうです。
ファッションの多様性
パリのランウェイの上だけでも色んな多様性があって、こういった問題でよく取り上げられているのは、人種差別的な感じの物。他にも、ボディポジティブが広がっている中で、いつも通り細くてスタイルがいい人もいれば、太っている人がいたりとか。性別にとらわれない衣装だとか、LGBTQ、ジェンダーレス。他にも身長が高い、低い。もちろん、美人なのかそうでないのか。体に障害を持っているのか、そうでないのか。都竹さんが担当したモデルさんの中には、車いすの方やふくよかな方もいたそうです。
こんな感じで、人種、体型、身長、性別、顔の美醜、障害など、様々な人がいる中で、都竹さんは、「何にどう挑戦しているのか」というところを表現している、できる人が舞台に立っていける?だから、モデルさんがランウェイを歩いているときも「何にどう挑戦しているのか」や「その人が持っているエネルギー」などを見ていると話してくださいました。
具体的に言うと、舞台裏では黒い服を着ている人がランウェイを歩くだけでカッコよかった。ただ、歩いて帰ってくる、っていう動作だけで存在感を出せる人は自分というものを明確に持っていて、表現したいことにチャレンジしているんだろうな、とすごく感じたそうです。
そして、なぜそこまで様々な人がランウェイ上を歩いているのかというと、やっぱり国とか「パリ」が大きく関係していると思う、と都竹さんは話していました。
それはなぜかというと、パリには、有名なシャンゼリゼ通りっていう通りがあって、そこには、車いすに乗っている人が接客サービスしているレストランなどが沢山存在したり、都竹さんの友人がやっているレストランでも障害のある方を雇ったりしているそうです。
それから、車いすの人が電車に乗ろうとすると、周りがサッと助けにいったり、これは都竹さんの実体験で治安が悪い国だから、もの掏られたりが多いらしくカバンあけっぱなしになっていたところを注意してくれたり、子どもにも親切にしたり。などなど。
いい意味で人に関心があって、それでいて人に左右されないという部分が育まれている。だから、ファッションも含め、いろんな角度からいろんな表現ができると思う。都竹さんがパリに行った日程に丁度フランスでデモが活発で、そういう面でも一人ひとりが思ったことをきちんと言う事が当たり前になっていて、ファッションもその一環だと思う、と都竹さんは話していました。
それに比べると、やはり日本とフランスは違っていて、日本は、現状、車いすの人がご飯を運んだりするとやっぱり少し違和感があったりするなぁ、と思いました。
ショーに込められた様々な思惑
ここからは、都竹さんのパリコレを見た感想です。
全体の感想としては、いろんな人の思惑だとか、大人の事情が隠れているな、と感じたそうです。
例えば、モデルさんだったら、まぁ名を挙げていきたいという思惑とか、デザイナーさんもそれは同様で、パリコレに携わることによって自分をブランド化させて、価値や人気を高めたいと思っているのが分かってしまった。
世の中にはいろんな側面があってSNSの発信とかできらびやかなものをたくさん見ているけれど、その背景にはいろんな思惑が絶対にある。
でも、パリにとってもこれから活躍してゆく人にとっても夢をかなえやすい、いい場所だとは思った。
けれど、都竹さん自身、美容とかファッションの業界に入って、パリでファッションに携わることは、ある種の憧れというか夢でもあったし、ただ純粋にアートというものに憧れている自分はすごく冷めた目で見てしまった、と話してくださいました。
パリコレから見るファッションの在り方
都竹さんは、服とか髪の毛、メイクなどなど。いろんなファッションとかオシャレは、一目見ただけで自己表現ができる。それに加えて、自分の体形とか似合う服の系統とか、髪質とか、それ以外にも自分の事をもっと知れる。ファッションっていうのは、自分らしくいられる最強のツールで、そんな意義があると思うと言っていました。
最後、まとめになります。
まとめ
日本とパリの文化の違いまで掘り下げることができて、いい時間だったな、と思いました。
あとは、パリコレっていう結構おしゃれなテーマだったので、もうちょいパワポをおしゃれにしたかったです。
パリコレにもジェンダーレスで男性のモデルさんがスカートを履いていたり、女性のモデルさんがスーツを着て歩いていたりしていて、それが記事になっているのを見たりもしたんですけど、ゆくゆくは、そういう物さえ当たり前になって、話題にならないくらいにジェンダーとかの意識が広がっていくといいなぁ、と思いました。
都竹さんは、人の外見だとか、肩書にとらわれないモデルさんの見方をしていて、都竹さんみたいな視点で人を見ることができる人が増えたら、そもそもファッションの多様性を問題視したりしなくてもよくなるなぁ、と思いました。
それに、その考え方はファッションに限らなくて、人種、体型、身長、顔の美醜、障害の差別を筆頭に批判する人と擁護する人以外の別の視点で課題を見ることができるな、と思いました。
ファッションのあり方に関しては、すごい都竹さんに賛成していて、自分もただ体を隠すだけの道具じゃなくて、服を自己表現とか自己認識につなげたいなってめちゃくちゃ思いました。でも現代のファッションってとりあえず流行りに乗ったり、無難な服を着ている人が多いイメージがあって、自分も無難な服をついつい選んじゃうんですけど。だけど、そういう部分も含めてその人らしさかな、とも思いました。