茨木市にあるコリア国際学園(KIS)。こどもの森から車で10分という距離にあり、2012年にユネスコスクールに認定された中高生のためのインターナショナルスクールです。ユネスコスクールはESD(持続可能な開発のための教育)を推進する学校のことであり、こどもの森も2015年に同じく認定されています。そんな共通点の大変多いKISの高校3年生の生徒さんたちと、こどもの森の子どもたちとの交流が実現しました。
KISの高校生たちは、「自己探求」という選択プログラムの一環での訪問。今回の訪問の趣旨は、多くの子が大学受験を控える中で、「自分が心の底から望むことってなんなのか。自分が本当に大切にしたいこと・価値観ってなんなのか」を日常から少し離れて、改めて見つめ直したい。そのためのキッカケとして、自分たちとは違う学び方、生き方をしている子どもたちと出会いたい、というものでした。
1回目の訪問では、KISの生徒さんたちは小学部の子たちと交流しました。
テーマの庭づくりの様子を見学して頂き、お昼休みは一緒に過ごしました。ホールでかけっこをする子どもたちと一緒に「じゃあ、タイム測るよ?」と小学部の子たちの目線でかかわってくれた女子生徒の2 人。
最後には、「人として本当に大切なことが、大事にされている学校だと心の底から思いました。」と語ってくれました。
また、交流担当のスタッフと過ごした学校説明の時間には、こどもの森で共有され、大事にされているビジョンを表現したイラストを見て「ここにKISの目指す理想の一つがあると思います。」とも語ってくれました。
(ちなみにこのイラストの中には「越境」という言葉もありますが、これはKISの理念に影響を受けています。)
2度目の訪問では、今秋に韓国へ研修旅行に出かける予定の中学部の子たちと交流。みんなで輪になって座り、お互いに聞いてみたいことをカードに書いて床に伏せておき、カルタのようにしてめくった質問について、お互いに聴き合いました。質問は、今学期のワールドオリエンテーションのテーマに関する質問や、進路を考える上で高校生に聞いてみたいことの2つに焦点を当てました。
「こどもの森に入ってよかったと思うところは?」
との質問に、
「自分で計画を立てること」
「自分は自分でいいんだ、っていうことがわかった。」
とのこと。
「ここで学んだことは?」
という質問には、
「ぼくは選ぶということを学びました。」
という力強い答えも。普段は当たり前になっているこどもの森のよさを、改めて見つめ直していました。
一方、中学部の子からは
「受験は大変ですか?」
といった、素朴な疑問も。それに対して、KISの子は
「自分は小学校受験を経験していて、確かにしんどいことだけど、それを経験した人の方が、進学してから学力は伸びると思う。自分で計画を立てて学ぶという、勉強の仕方を身に着けているから。」
と答えてくれました。受験や学力に対する考え方は人それぞれだと思いますが、このように多様な価値観、考え方に触れられることはとても大切なことです。最後には、KISの子から
「韓国、中国などアジアの近隣諸国についてどう思うか?」
といった質問もされるなど、多様性に富んだ交流となりました。
今回は、2回の訪問ともにKISの先生方が2名引率してくださり、お互いの学校運営や授業づくりなどについても意見交換することができました。今後、学生・子ども・教員・スタッフとさまざまな場面で交流を深め、お互いに刺激し合い、学び合える関係を築いていくことで、両校から民主的に生きる市民が育っていくことを期待してます。
(D.H)