こども哲学「どうしてお母さんはよその子を叱らないのか?」


先日の低学年クラスでの、こども哲学のようすです。

2学期1回目の哲学は、「どうしてお母さんはよその子をしからないのか?」

哲学のテーマはあらかじめ子どもたちが話し合って決めたものです。

親の立場としては、なんとも耳の痛いテーマですが・・・

 

哲学のろうそくに灯がともりました。

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友だちには怒らなくて、自分だけ怒られたことある?と聞くと

少し手が上がりました。

 

その時、どんな気もちだった?

「友だちにもダメなものはダメと言ってほしかったのに、言ってくれなくて『えーー』って思った」

「腹が立つ」

「なんでだろうって思う」

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そこで、ためしにこう聞いてみました。

もしかして、お母さんは自分の子どもがキライなのかな?

すると、「ううん」「ちがーう!」「ちがいまーす!」

みんなすごい勢いで否定してきました。

お母さんは自分のことキライなんてありえないんでしょうね。この反応、とってもうれしかったです。

 

「自分の子がキライだったら、ほっとくと思う。大切だから怒る」

「よその子以上に自分の子が大切だから、怒ってくるんだと思う」

(ああ、親が子どもを思う気持ちがしっかりと伝わってるんだなあ・・・)

 

そこへ一人の子がこう言いました。

「自分の子やったら責任がとれるけど、よその子だったら責任がとれないからじゃない?」

するとすかさず別の子が、

「それはちょっとおかしいんじゃないかな?だからといって、自分の子だけ怒るのはおかしいんじゃないかな」

(たしかに・・・)

 

「わかった!たぶん、将来いじめっこになる可能性もあるから、それを気にして怒るのかもしれない」

(そんなふうに意味を見出してくれてるなんて・・・)

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「自分の子にはやさしくなってほしいし、でも友だちを怒ると泣いてしまうかもしれないから」

「自分の子にはかしこくなってほしいから」

(みんな、親の期待をしっかりと感じてるんだなあ・・・)

 

「でも、そんなにこわい言い方しなくてもいいんじゃないかなあ」

(そうなんですけどね・・・つい)

 

「よその子はそのお母さんがその子を怒るから、自分の子だけに怒ったらいい」

(なんだかイマドキの考え方だなあ・・・)

 

「お母さんは友だちがいる時は友だちの前では怒らなくて、かくれて怒る」

「自分が怖い印象を持たれたくないから」

(うっ、痛いとこついてくるな・・・)

「よその子のお母さんも嫌な気持ちになるから、そうならないように叱らないんじゃない?」

(そこまで考えるなんて・・・)

 

「お母さんが怒るのは、たぶん、オレたちがやくざとかにならないように、一番守りたいのはオレたちだから。」

(お母さんに対して、なんて肯定的なんでしょう・・・)

 

最後に、思ったことを作文にしました。

こうして、話し合ったことを自分の中で再確認しながら考えをまとめるのも

とても大切な時間です。

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子どもたちのいろんなホンネが聞けて、とてもおもしろく、また耳の痛い話し合いでした。

子どもたちの一点の曇りもないおうちの人への信頼がひしひしと感じられた哲学の時間でした。(A.M)

 

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