低学年の子どもたちが選んだ1学期の哲学は、なんだかむずかしそうなこのテーマ。
1年生にもわかりやすいように、いくつかの会話のシーンを描いた絵を見ながらの哲学となりました。
たとえばこれ。
確かにその人は太ってるけど、それを口に出して言うとどうなるだろう?
「嫌な気持ちになる!」
身体の特徴のことを言われたら、自分ではどうしようもないことだから、つらいよね。
では、これはどうかな?
「横で聞いていた人が、悲しい気持ちになる」
「かわいいって言われた人はうれしいかもしれないけど、横にいる人の気持ちを考えると悲しくなるかも」
なんと、そこまで深読みするとは、おどろきました。
では、こういう場面ではどうかな?
絵を見せたとたん、一人の子が小さい声で「これ、オラや」とつぶやきました。
「たのしくしゃべってたのに、嫌な気持ちになる。」
「じゃまされた気持ち」
「こういう言葉はいうべきじゃない。もしかしたら、この人はほんとは話に入りたいのかもしれへん。」
「入れてって言えばいい」
このような発言は聞いた人を嫌な気持ちにさせるけど、こんなふうに言ってしまう人の気持ちはこうなんじゃないか、とみんなが話しているのを、
「オラや」と言った子は、ずっと黙って聞いていました。
なんだかあたたかい感じでした。
じゃあ、言いたいときはどうすればいい?
「心の中で言えばいい」
「でも、いやな気持ちを心の中にだけにしておくと、しんどくなるで」
「そういうとき、私は『ごみばこノート』っていうのをやってる。言いたいことをこのノートに書くねん」
へえ、そんなことをしている人もいたのか。
今までは、言わない方がいい時の例ばかりやったけど、こんどは言った方がいい時を考えてみよう。
どんなとき、言った方がいい?
「ゴメンっていう時」
確かに。
じゃあ、この場合はどうかな?
「言うべきやけど、言い方をもっとやさしい言い方にしたほうがいい」
最後に、一人の子が「ことばのコントロール」という言葉を言いました。
相手の気持ちも考えて、言うべきことと言わないほうがいいことを、よく考えて話すほうがいい。
そういう意味でした。
みんなで話し合った後、思ったことを作文に書きました。
むずかしいテーマでしたが、みんなしっかりと考えて書いていました。
出来上がった作文を紹介します。(A.M)
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「おもったことはなんでもいうべき?」
いったらいけないことと、いったらいいことがあるなーとおもった。
いったらいけないことは、きずつくこと。
いやなことはいったらいけないとおもう。
で、いっていいことは、うれしいこと、ほめることだとおもう。
(2年男子)
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「思ったことは何でも言うべき?」
わたしは思ったことを人がいやじゃなかったらいいと思う。
人がよろこぶことはいいけど、その人ばかりほめると見てる人がいやな気持ちになるからびょうどうにほめたらいいと思う。
いやだと思ったらやさしい言いかたで 言ったらいいと思う。
たとえ王さまでも言ったらいいと思う。
ずっと言いたい気もちをためるとストレスがたまるから、だれもいないところで言ったらストレスがはっさんできる。
(3年女子)
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