2学期のはじめ、2コマ目と3コマ目の時間を使って「自分も人も大切に」のワークショップをしました。

休み時間終わり、ボール遊びをしていた子どもたちの会話の一場面をスタッフで再現。
パターン1
Aちゃん 「このボール片づけといて」
Bちゃん 「・・・えっなんでぼくが(心の声)」
Aちゃん 「たのんだで!」
Bちゃん 「あっ・・・、うん」勢いに押されて。
Bちゃんみたいに、本当は嫌だけれど相手の勢いにおされて、「いいよ」と返事をしてしまうことはないでしょうか?
パターン2
Aちゃん「このボール片づけといて」
Bちゃん「えっ、おまえが片付けろよ」
Aちゃん「おれ、急いでんねん」
Bちゃん「おい、ちょっとまってよ、なんでおれやねん、おまえが最後にさわったやろ」
Aちゃん「おまえが最後にさわったやろ」
ちょっとめんどくさいことをお互いに相手のせいにしながら、おしつけあってしまうこともあります。そして、ときに、これがけんかに発展することも。
こんなときに使えるのが三色のぼうし。

赤い帽子は、自分の意見を押し通すタイプ。
青い帽子は、がまんしてのみこんでしまうタイプ。
黄色い帽子は、自分の気持ち・考えをすなおに伝え、相手の気持ち・考えを聴くタイプです。
今回、スタッフが例にあげた場面は、目に見える日常のひとこまですが、ほかにも様々な場面で、自分の考えや思いと相手の考えや思いが衝突する場面はたくさんあります。
こんなとき、自分の思いを大事しながら、そして相手の思いも大事にしながら、よりよい解決方法を見出していくことは、簡単なことではありません。
今回のワークショップは、この三色のぼうしのタイプの中で、自分はどのタイプなのか、自己理解の材料にし、黄色いぼうしをかぶるとはどういうことか、こどもの森学園で日々過ごす際のスタッフや子どもたちとの共通言語にしたいというねらいをもって取り組みました。
三色の帽子の説明をしているとき、子どもから、「赤と青の混じった色のぼうし」ということばが出てきました。確かに、相手によってまたは場面によって、自分の意見を押し通すこともあれば、がまんするときもあります。子どもから学んだ瞬間でした。

時間をかけて、三色のぼうしを作りました。うまく画用紙を丸められなかったり、サイズが小さくなりすぎたりすることもありましたが、各自それぞれに三色のぼうしが出来上がりました。

出来た帽子を使って、以下の場面をAちゃん、Bちゃん、観察者に分かれてロールプレイング。全体の前で共有してくれた二人は熱演してくれました。
Aちゃんは、Bちゃんとお昼やすみにお弁当を一緒に食べたい。Bちゃんは、他の子と先に約束している。こんなとき、どう相手に自分の気持ちを伝えたらいい?
Aちゃんは赤ぼうし、Bちゃんは黄色ぼうしの役割です。
Bちゃんと一緒にお昼ご飯を食べたいAちゃんは、強引に誘ってきます。Bちゃんはそれに対して、様々な解決策を提案します。それでも引かないAちゃん。困りました。もう、あきらめたくなるような気もしてきますが、二人は平行線。でも、BちゃんがAちゃんの「思いを受け止める」という視点で見てみると、まだやれることはあるかもしれません。
この日の活動は、ここで終了。

日を改めて、二人の人がお互いに黄色い帽子をかぶるとは、どういうことか、この日もロールプレイングをしながら考えました。

まず、相手の話を聴くこと、そして、自分の想いを伝えること、そしてお互いに納得できる案を探していく。このときに、こうじゃないとだめだと思う自分の気持ちが変わるときは、どんなときか、それは相手の気持ちや状況を理解できたとき、変わるんじゃないか、ということも最後に確認し合いました。
この日の昼休みの子どもたちの会話を聞いていると、「~ちゃんのその態度は、赤色よりの黄色帽子やな」ということばが話されていました。
(R)