2学期のテーマは「自然の生き物調査隊 ~動物のくらしとわたしたち~」
校外学習で、一庫公園へ行き、里山にくらす動物や人の生活とのつながり、生き物どうしの関係、生物多様性まわりの環境とのつながりを学びました。また、初谷渓谷ではグループにわかれて川に入り、魚や昆虫の幼虫、貝などの観察をし、種類や数をしらべた結果から川の美しさのレベルを推測しました。
学校では、校庭や池に住む生きものを顕微鏡やライトスコープで観察し、初めて見るミクロの世界に驚きながら生き物のからだの詳細を見つめました。
その後、一人ひとりの興味、関心から個人テーマを決め、より深く調べていきました。実際に川や池に生きもの採集に行ったり、参考になる本をじっくりと読み進めたり、パソコンで調べた事をまとめたり、個人やペアグループで発表準備をすすめました。一週間前にはリハーサルをして、ほかの人からの感想や意見を聞いた後修正をして本番にのぞみました。
発表当日はワクワクの人、ドキドキの人
当日は多目的室とホールにわかれて発表しました。
朝から「今日、たのしみ~」とにこにこしている人、「やばいやばい」とパソコンを見つめる人、原稿を読む練習をする人、少し緊張しながらも1コマ目にそれぞれ準備をすすめました。
さまざまな小テーマでブース発表
ホールのブース発表では、「川の生き物」「人間が生きていくために必要ないきもの」「ネコ」「ゴキブリ」「クモ」「池や川にいる微生物」「へびの暮らしとわたしたち」「モモンガ」「ヤモリ」「身の周りにいる害虫と害獣」「絶滅危惧種動物」「害獣と獣害」の発表がありました。
「へびの暮らしとわたしたち」では、友だちと一緒にたくさんのヘビの種類や生態を調べ、絶滅危惧種が思いのほか多いことがわかりそれを模造紙にまとめました。その理由が土地の開発や水田の減少など、人間の都合や生活の仕方の変化などに原因がある事を伝えました。原っぱなどでもヘビを見ることが少なくなった現在、私たちの暮らしが爬虫類にも影響を与えていることを考えさせられる発表でした。

ヘビのくらしをていねいに説明します。
また「ゴキブリ」では、嫌われ者のゴキブリが本当に悪い生き物なのかに疑問を持ち、自分で調べることにした人の発表でした。たくさんの種類のゴキブリがいることを知り、その生態を調べ画用紙にまとめて説明しました。来場者の中にはこのテーマに驚く人もいましたが、説明を聞いて思ったほどの害はなさそうと感じ「詳しくしらべたね~」「意外と大丈夫な虫なんや」の声がありました。人のくらしとのかかわりやゴキブリとの共存にも思いをはせた発表でした。

ゴキブリの種類によって住むところがちがうんだ
多目的室でミニステージ発表
多目的室では、「ザリガニと私たち」「池や川にいる微生物」「ネコ」「絶滅危惧種についてまなぼう!」のミニステージ発表がありました。
「ザリガニと私たち」の二人の発表では、片山公園でザリガニを採収し、スケッチした絵、本を読んで外来種であるザリガニは駆除しなければいけない動物であることなどを紙にまとめ、説明しました。海外からの外来種が増えたために在来種が絶滅の危機につながっていることなどをみんなの前で話しました。飼ったあとのザリガニはどうしたかの質問に、鶏の学校の鶏のエサにした事は来場者に驚きでしたが、採収地に戻さない事が大切だという説明に納得しました。命をむだにせず、循環させることにつながると考えたようでした。

ザリガニを池でたくさんつかまえたよ
「池や川にいる微生物」も協同で取り組みました。初谷川にいた小さな生き物に興味を持ったことが微生物の観察につながりました。学校近くの池の水を採りに行き、顕微鏡で観察しました。苦労して撮った顕微鏡の写真と説明がわかりやすく書いてあり、発見と驚きの中で学習をすすめていたことがよくわかりました。欠席の発表者の分もしっかりと話し、たのもしい発表でした。

身近なところに目に見えない微生物がたくさんいます
「ネコ」では、のらねこに興味を持ち、その暮らしぶりを紹介し、鳥やネズミ、キリギリスなどの好物、カラスやアライグマの天敵についても説明しました。

のら猫の暮らしはとてもきびしそう
「絶滅危惧種について学ぼう!」では2人共同で1冊の本をつくり、物知り博士、こどもたち、ツキノワグマ、イリオモテヤマネコ、ラッコなどの動物をストーリー仕立ての漫画にして紹介をしました。絶滅危惧種の動物たちを得意な絵を使見るい、見に来た人が楽しめる本になりました。
ホール発表、きんちょうした~
ホールのステージでは、「自然の生態と食物連鎖」「クモ」の発表がありました。
「自然の生態と食物連鎖」の発表では、特定の動物を例に食物連鎖のピラミッドの図を手描きして会場の人たちにわかりやすく説明しました。在来種クイズもあり、琵琶湖に住む魚の名前のヒントを聞いて、来場者が「う~ん、なんだろう?」と思いめぐらせ、答えに会場が沸く場面がありました。初めてホールいっぱいの人前での発表は、とても緊張している様子が会場にも伝わる中で、精一杯自分の考えや思いを伝えた4年生の発表でした。

食物連鎖の図を手書きして発表しました
「クモ」の発表では、二人であちこちクモの巣を探し、顕微鏡で見た糸の写真などをスライドで紹介しました。たくさんの糸がからまって1本の糸になっていることや種類によってクモのくらしや巣の形も違うこと、クモが嫌な虫ではなく、害虫を食べるなど人の役に立つことや、神聖な存在であるということもみんなに伝えました。
来場者からは「クモの巣の写真がとてもきれい」「種類によって住むところが違うんだと知った」「クモが人に役だつ動物だとわかった」などの感想がありました。
一人ひとりが興味・関心にそったテーマを少し掘り下げて調べ、まとめる作業は、発表をすることで個人の学習が、他の人の気づき、学びにもつながっていると感じます。「生きもの探検隊」として動物のくらしを探った今回の学習が、人と動物の良い関係を考え続けることにつながることを願います。