【高学年】自分たちでつくる修学旅行、どう決めていく?


高学年クラスの一大イベントといえば、修学旅行。こどもの森では、子どもたちが行き先を決めています。そして、その資金も自分たちで集めます。行き先で何をするか、それにはどのくらいのお金が必要なのか、どういうルートで行くか、どこに泊まるか、お金集めのためには何をするか‥‥修学旅行に行くために、決めなくてはいけないことがたくさんあります。

修学旅行に行くまで~準備編

1学期のはじめ、まずは6年生から行き先の3つの候補が提案されました。そのなかで今年は「和歌山」に行くことが決まりました。資金グループ(フリマなどの資金集めを考える)と内容グループ(観光や交通など現地での予定を考える)に分かれて、準備をはじめました。

今年から高学年のクラスを担当し、修学旅行に初めて行くスタッフ。何をどう進めていいのか…と考えているうちにも、経験者の5・6年生たちが、「去年はこうしたから、今年はこうしよう」「この時期までにはこうした方がいい」とどんどん意見を出してくれました。

2学期には資金集めのために、フリマを2回、多民族フェルティバルの出展(箕面国際交流協会主催)、学内でのイベントを実施しました。

「修学旅行に行くための資金集めをしていまーす、ご協力お願いしまーす!!」フリマでは堂々たる呼びかけをする6年生。それにつられる形で他の人たちも「お願いしまーす!!」と声をかけていました。

箕面国際交流協会で開催された多民族フェルティバル。射的を出展しました。

そして、早々に修学旅行の日程は決まったものの、出発目前にして観光先やスケジュールの話し合いが難航しました。不穏な空気のなかで「本当に行けるのか?!」という疑いも出始めていました。

修学旅行の話し合い、それぞれが納得するためには…

「修学旅行に行きたい!!!!」熱き想いの5・6年生が話合いをヒートアップさせていくほど、ついていけなくなる4年生たち。「何の話をしてるか、わからん」長引く話合いに疲れてきてしまいました。そして、中には話合いの様子が言い争いをしているようでイヤだという人もいました。

修学旅行はクラスみんなで行く。それは今回、一番初めに決めたこと。それならば、一部の人だけで進めるものではないし、誰かの意見ばかりを押し通すことでもない。「ちょっと待って。今の話をもう一度確認してほしい」「まずは優先順位を決めてから、話を進めてみたら」スタッフも時に声をかけながら、話合いに参加していました。議題がでるたび、できるかぎり3人グループを作って、お互いに意見を確認し合いながら進めていくようにしました。

観光先を決める話合いでは意見が割れていました。たくさんの人が希望する行き先に反対する人が出た時、「ええ~、なんでやねん」という声があがりました。そうした中で「ひとりの人の反対で行かないと決まってしまうのは違うと思う。けど、少ないから我慢しろっていうのも違うと思う」と伝えてくれた人がいました。

集会で複数の案が出ている時は、まずそれがイヤな人はいるかを確認します。そして、なぜイヤなのかを聞いて、それが解決できることなのかをみんなで考えます。イヤだという人は、どうしたら自分の中で×から△になるかを考えてみる。他の人はイヤだという人の気持ちを考えてみる。全員が◎にならなくても、×の人がいない案を選んでいく。

そして、反対した人は理由を話しながら、一番気がかりな点として「行き先まで歩く距離が長すぎる」ということを伝えてくれました。それに対して、「歩けるって~」「大丈夫やろ~」という声もありましたが、最終的には「最寄り駅が他にないかを調べて、歩く距離を少なくする」ことに決まりました。

修学旅行のルールについても話合いました。「ふだんの学校と同じルール?」「この場合はどうする?」決めておきたい議題をあげて、いくつかのルールは全員で話合うのではなく、こだわりのある人が集まって話し合うことになりました。

・おやつは何円までか ・買い食いはしてもいいか ・おみやげを他のクラスに買うか ・音楽を聴いてもいいか

お互いに大事にしたいことは何かを伝えながら、それぞれが納得できるところを見つけていきました。

直前まで大慌て!ラストスパートだーー!

行き先が決まって、いよいよしおりを作成。それぞれに分担を決めて、取り掛かります。

しおりに掲載するためにスケジュールを確認する必要がありました。電車はどこで乗り換えるか、何分発に乗ればいつ着くか。お昼ごはんはどこで食べるか。

そして、行き先は決まったものの、予約をしておいた方がいいんじゃないか?ということに気付いた人がいました。「おれ、電話するわ」と率先して次々に電話をかけてくれました。電話で大人と話をするのは意外と緊張するものですが、堂々と話している姿を見て、側にいた人たちから「すげ~」と感嘆の声があがりました。

お金担当の人たちは、当日のお金を分けて用意していきました。ここでなんと、金庫の中のお金が足りないという事態が勃発しました!「えーーー!なんで?!」お金の記録ノートと照らし合わせても5万円以上合わない。「どうする?行き先を変えあかんのちゃう?」顔を見合わせて焦る人たち。「もう一度ロッカーを調べてみて!」と言われ、金庫を保管しているロッカーをスタッフが確認することに。

なんとなんと、ロッカーからお札が入ったファイルが発見されたのでした!「よかった~!焦った~!」

前日まで準備に大慌てでしたが、何とか修学旅行に行く準備が整いました!さあ、いよいよ出発です~雨が降りませんように~!(S.N)