2024年度2学期の低学年のテーマは「ニホントカゲ」です。
ニホントカゲやカナヘビを学校にお迎えして、お世話をしながら、興味を広げてきました。
グループ分けの後、それぞれトカゲレスキューに入ってどんなことを知りたいと思っているか聞いてみました。
トカゲがなってしまう病気のことや、その治し方。健康に過ごすための食事。しっぽやうろこがどう治るのか?といったことや、絶滅危惧種になんでなってしまっているか?そのためにどんなことができるか?などが気になるということでした。
子どもたちが病気に興味を持ったきっかけは、学校にいるにっかちゃんというトカゲのうろこに、トカゲの隠れ家であるシェルターについていたシールが張り付いてしまい、うろこごとシールが取れてしまったことでした。
それでは、トカゲレスキューの探究のスタートです!
暮らしやすい環境づくり
病気を知る中で、まずは暮らしやすい環境づくりが大切だということになり、トカゲやカナヘビのお世話の動画を見て、観葉植物を置いてみることにしました。
観葉植物を置くと、その上に登って運動になったり、休憩するリラックススペースになるそうです。
突然のお別れ
トカゲやカナヘビを飼っていると、悲しいお別れのときもあります。
小学部集会が終わったあと、いつものようにカナヘビのお家を覗いてみると、さっきまで元気だったカナヘビの赤ちゃんの「おーちゃん」が動かなくなってしまっていました。
仮死状態かも?とか思った人もいましたが、週をあけても動かなかったので本当に亡くなってしまったようでした。
「病気の種類でいうと脱水なのかな」
「さわりすぎてストレスがあったんじゃない」
「ご飯食べれてなかったのかも」とそれぞれ死んでしまった理由について考えていました。
二叉尾も病気?
あるとき、話をしていると、トカゲくらしものがたりのチームが、カナヘビを連れて部屋に入ってきました。
「カナヘビのしっぽが二股に分かれちゃってるんやけどレスキューの人たち何かわかる?」
その場ではわからなかったので、パソコンで調べてみながら考えてみることにしました。
「日光浴が足りてないんじゃない?ライトやっぱりほしい。ガラスのケースやから日光浴できてないかも。餌は食べてるはず」
「さわりすぎなんじゃない?」
調べてみると二股に分かれている状態は「二叉尾(にさび)」と言って、珍しいものではないようです。
カナヘビもしっぽが切れたら再生する能力があり、元々のしっぽが切れないまま再生すると2本になることがあるようです。
絶滅危惧種について
「絶滅危惧のトカゲについて知りたい」という意見があったので、絶滅危惧のトカゲについてみんなで話しました。
まず、スタッフがトカゲの本に書いてあった日本のレッドリストの紹介をしました。その後、ネットで各地のレッドリストの具体的な情報が書いてあるところを紹介しました。
「都会はコンクリートばっかりやもん」
「人がトカゲをおびやかしてる」
「みんな草で住もう」
「でも、大阪が絶滅危惧になってないのはなんでだろう?」
「ニホントカゲを飼うことはニホントカゲを保護することになるのかな?」
「オカダトカゲも見つけた!オカダトカゲも絶滅危惧らしいよ」
スタッフ「東京とか都会が絶滅危惧になっているのはわかる気がするけど、沖縄とか自然が多そうな場所も絶滅危惧になってるのはなんでだと思う?
「沖縄は暑すぎるんじゃない?あと、人が多くてわいわいしてる。祭りもよくやってるし。」
「京都は観光が多いよ」
「奄美はペットショップないから、人がたくさん捕まえてるのかも」
「北海道は雪が多くて住みづらいんじゃない。あと、カナヘビは北海道にはあまりいないらしい。」
冬対策どうする? 冬眠
寒くなってきた頃には、冬対策について話し合いたいということになりました。
トカゲの本やネット情報を見て、どうしたらいいか調べました。
「トカゲは冬眠するから冬の間はさわらない方がいいみたいだよ」
「たまご産ませたいなら、冬眠させるって言ってた」
「産ませたいじゃなくて、産んでほしいじゃない?」
「強制はかわいそう」
レスキューの人はどうしたいかを確認し、保温するのではなく、冬眠させたいということで、レスキューの人以外の意見を確認するために、低学年集会に出してみることになりました。
次に冬眠のやり方について調べました。
本を読んだあと、なんとなくイメージしづらかったので、のりが「動画をみたい」と言いました。
動画を調べてみると、冬眠準備の動画がYoutubeにあったので、見てみることにしました。
わかったこととしては、
・冬眠あけに餌を食べさせてプリップリの体にする。
・黒土とピートモスの2種類の土を10cm敷く。
ということでした。
「冬眠開けは恋の季節。冬眠あけのメスを待ってるだって!おもしろい〜」
ほかにもるかちゃんはいろいろ疑問が出てきたようでした。
「なんで冬眠中に死んじゃうことがあるの?」
「どうやったら冬眠してるってわかるの?」
「いつ出てくるの?4月とか?」
トカゲプリップリ大作戦スタート
前回の振り返りをしていると、何人かの人が「冬眠の前にはトカゲをプリップリにする必要がある」ということに関心を持ったようです。
スタッフ「そもそもなんで冬眠の前にプリップリになっていないといけないんだっけ?」
「冬眠開けて起きるときに痩せてるからじゃない?」
「冬眠のときにご飯も埋めといたら食べるんじゃない?」
「冬眠は寝てるから食べないと思う」
冬眠はずっと眠っている状態のことだと確認して、からじゃあどうやったらトカゲを太らせることができるか?=「トカゲプリップリ大作戦」を考えることになりました。
「餌をいつもの6ばいにしたらどう?」
「栄養バランスをよくしたらどう?元気じゃないと冬眠中に死んじゃうから。」
「千里北公園でコオロギとかバッタつかまえたらどう?」
「肉がついている虫を食べたコオロギをトカゲに食べさせる」
「生きてるミルワームにカルシウムのこなまぶす」
「庭にいるあんんこが食べようとする虫を探したら?」
「外の虫は寄生虫に注意だよ。」
「でも、野生のトカゲは外の虫そのまま食べてると思う」
スタッフ「公園デーで捕まえてあげるのを続けたら、プリップリ大作戦成功しそうじゃない?」
話し合った結果、冬眠するまでの間、千里北公園でコオロギやバッタをつかまえてあげることにしました。
その後は、実際に行ってみようということで、千里北公園に探しに行きました。
コオロギゾーンは見つからなかったけど、バッタがたくさんいるバッタゾーンは見つけて、バッタ12匹、ゴキブリ1匹を捕まえることができました。
トカゲプリップリ大作戦やっぱりやめる?
トカゲプリップリ大作戦でバッタをつかまえてみてどうだったか振り返ってみました。
「トカゲ2ひきとも食べてないと思う。脱走しちゃったり、にっかちゃんはびびってる。」
「とんでつかまえられないのかも。上の網に張り付いていたのみたよ」
「カナヘビも食べてないと思う」
「カナヘビ3匹とも食べてるのみた」
スタッフ「にっかちゃんは土曜にバッタの体食べてるのみたよ」
「食べれるところが多い方がいいんじゃない?バッタ体かたいし食べにくそう。あと、とばない虫の方がいいんじゃない?」
「足に輪ゴムをつけてとべなくするとか」
「バッタはつかまえやすいからいいんだけどなぁ」
スタッフ「ネットで調べてみたら、バッタを食べやすくするために、足を取ったり、折ったりしてあげたりするみたい」
それについては、驚いた反応をする人もいました。
「折れたままだと、もしトカゲがバッタを食べなくて、自然に返すことになったとき、かわいそうじゃん。いじわるみたい。」「バッタがかわいそう。かよがバッタならいや。」
「じゃあ足おらなかったらいい?」
「いや、そもそもつかまえるのがかわいそうだと思う。」
スタッフ「これは本当に難しい問題だよね。(生態系ピラミッドを書きながら)トカゲはバッタやコオロギ食べるよね。じゃあトカゲを食べるのは?」
「ねこ」
「とり」
スタッフ「じゃあ、猫とか鳥のために、トカゲを餌として捕まえて渡すのはどう思う?」
一同「えー!それはいや〜」
「鳥がトカゲ食べるのといっしょだよ。」
「トカゲ食べられても文句言えないかも。それが自然のルールだし。」
「でも、今回は、自分たちがどうするかだから、自然のルールとは違うと思う」
「じゃあトカゲをプリップリにするために何を餌にしたらいいの?」
「いのちの問題があるからプリップリ作戦撤退するのはどう?」
ここまで、話して2コマ目が終わり休み時間に入りました。
3コマ目は、話の続きをしました。
「作戦はやりたいけど、バッタがかわいそう」
「ペットショップにいる虫ならいいかな?」
「ミズアブ虫をあげるのはどう?」
最終的には、ペレットなどの餌やりをちゃんとやるということと、生き餌をあげるのは、やりたい人だけやって、その人たちは命を大切にしながらやるようにすることが決まりました。
また、生き餌も野生だと寄生虫が心配という意見があったので、ペットショップなどで購入することになりました。
発表準備スタート
トカゲレスキューは、トカゲの病気や絶滅危惧の状況などから、どんな暮らしが良いか考えてきました。
レスキューの人は、何か気になることがあれば低学年集会の議題にあげてくれたりと、命を大切にするためにいろんな行動をしてくれました。
今は発表準備を進めています。
劇とパソコンを使ったスライドショーで発表することになり、それぞれ劇グループとスライドグループで準備しています。
劇グループは脱皮不全の劇のために、ビニールで脱皮の皮をつくったりと楽しそうにしています。
どのような発表になるか楽しみです。
(T.Y)