今年度最後の高学年クラスの哲学のテーマは「友情と愛情の違い」でした。
部屋の電気を消して、「哲学のろうそく」に火を灯します。
○そもそも友情ってなんだろう?
スタッフが問いかけると、次のような意見が出てきました。
- 一緒にゴールしよう/がんばろうと思える人
- 切磋琢磨する、いい意味での競争相手・ライバル
さらにどんな時に友情を感じる?との問いには
- 相手が自分のために何かしてくれた時
- 一緒にご飯を食べる
- 一緒に過ごす
という意見。ここで「なんか愛情ぽくなってきた」との声が出ます。
○では、愛情ってなんだろう?みんなのイメージは?
こちらの問いには、「友達との間にも愛情はある」という意見。
続けて「愛情を感じる相手は?」と問いかけると、
- 友人
- 愛する人
- 家族
- 犬や猫などのペット
- 恋人
とのこと。
そんな中、「友情と愛情はあんまり変わらないかも?」という声も聞こえてきます。他にも、「友達に対してはドキドキしないけど、好きな人にドキドキするのは愛情かな」「友達にはあまり気を使わなくていい。気楽。楽しい」「でも家族も気楽」「恋人になれば気が楽だけれど、その手前の“好き”は緊張する」などなど、話題はどんどん広がります。
「推し活はどうだろう?」との問いかけには「推し活は愛情」と即答しつつも、でも「リア恋じゃない」とのこと。
○さらに話題は学校のことに及び・・・・
- クラス全体で何かを成し遂げた時に「これが友情か!」と思うことはあるけれど、個人としてはそれほど近くない人もいる
- 人数の多い学校だとあんまり話さない人とか出てくるけど、ここではそういう人はいない。みんな友達
- こどもの森だとどの人も近い
この学校での体験は特別、と感じている人が多いようです。
○友情と愛情の共通点と違い
最後に改めて二つを比較して考えます。
友情は、
・一緒にいて楽しい
・離れていてもそれほど寂しくない
愛情は
- 一緒にいたい気持ちが強い。逆に、一緒にいられないと寂しい
- 愛は相手に向かっているけれど、自分が満たされることが大切
- 推しの画像を見ているだけでも満足。推し活は自分のためにしているけれど、推しが幸せに暮らすためでもある
さらに、「友情と愛情は違って、真ん中にあるのが“憧れ”では?」という意見も出てきました。結論が出るようなテーマではないからこそ、「もっと考えたい、話したい」と感じた人が多かったようです。最後に子どもたちの感想の一部を紹介します。
□(友情と愛情の違いについては)まだまだ謎だなって思った
□友情と愛情はやっぱり似ているようで少し違うんやなと思った
□友情は仲が良い人との間にしか生まれないと思った
□愛はその人のことを知りたい感じ
高学年の部屋に戻ってから、引き続き議論する姿も。こんなふうに深いテーマについて友達と真摯に語り合える子どもたちが眩しく感じられました。(K.S)