「人はなぜ、まぼろしの生き物を信じるのか?」~高学年・哲学の時間~


2学期の哲学、第2回目のテーマは「人はなぜ、まぼろしの生き物を信じるのか?」
ちょっと都市伝説的なテーマとなりましたが、これはおもしろそう!

ちなみに、2学期は他に
「人を殺すのは犯罪なのに、どうぶつを殺すのは犯罪にならないのはなぜか?」
「かっこいい、かわいいは誰が決めたのか?」
3つとも、子どもたちの話し合いで決まったものです。
どんなテーマになるかで、今の高学年の人たちの関心のあることが垣間見えておもしろいです。

 

最初に哲学のろうそくに火をつけます。
ろうそくがともると、みんなの頭は哲学モードに・・・

 

「みんなはどんなまぼろしの生き物を知ってる?」
スタッフが問いかけると子どもたちは口々に、
「ツチノコ!」「ユニコーン」「ペガサス」「カッパ!」「九尾(9つのしっぽを持つキツネ)」

「じゃあ、この中でまぼろしの生き物が存在すると思っている人?」
ほとんどの人が手を上げました。

「存在すると思う人もいれば、思わない人もいるね。
まぼろしの生き物が存在するとしたら、その根拠はなんだろう?」
「似ている生き物がいるからじゃない?アオシタトカゲってツチノコにそっくりで足があるねん。足が見えない位置から見たからツチノコって思ったんじゃない?」
「写真が残ってるから」
「でも写真は合成かも」
「本に書いてあるよ」
「見た人がいるらしい」
「そう見えただけで想像で言ってるだけなんじゃない?」

「人間もサルから進化したから、まぼろしの生き物も進化したのかも」
「宇宙人が送り込んできたんじゃない?」

みんなの想像はどんどん膨らんでいきます。

ここでスタッフがまた問いを。
「じゃあ、まぼろしの生き物と、イヌやネコとの違いって何だと思う?みんなはイヌもネコも確かに存在してるって思ってるよね」
「う~ん、それは、大勢の人が実物を見たことがあるかないか、なんじゃない?」
「なるほど、てことは、まぼろしの生き物はほとんどの人が見たことないから、まぼろしなんだね」

「まぼろしの生き物が存在すると信じると、信じる人にとってどんないいことがあると思う?」
「まだ見たことのないものを見てみたいっていう気持ちがある」
「実はいるのに、政府が隠してる。隠すことで価値が高まるから」
「その生き物を見つけたときにうれしいから。有名になれるから」

なんだか、子どもたちの気分がぐんと高まった感じがします。
やっぱりみんな、まぼろしの生き物のことを考えること自体が楽しいんだなあ。

どうやら今日のテーマ「人はなぜまぼろしの生き物を信じるのか?」の、ここまでのところの共通了解は
「まぼろしの生き物がいると信じることが楽しい!」
のようです(笑)

 

最後に、一人ひとり今思っていることを文章に書き、
模造紙の空いているところに、思い思いのまぼろしの生き物の絵を描いて、哲学の時間が終わりました。

(A.M)