ジャーナリスト西谷文和さんのお話~テーマ「わたしの将来」高学年~


4月26日、高学年のテーマの時間に、フリージャーナリストの西谷文和さんにお越しいただきお話を伺いました。

西谷さんは、フリージャーナリストとして戦争・紛争問題や国際交流などについて現地に足を運び、テレビなどで多くの人に発信されています。

 

「戦争と原発はつながっている」

 

ウクライナとロシアの戦争を止めよう

のテーマから話が始まりました。ウクライナの都市であるキエフは京都の姉妹都市であり、もとは自然豊かな素晴らしい国であったと教えていただきました。

西谷さんはウクライナのチェルノブイリ博物館に訪れたときの内容をお話ししていただきました。博物館の中には世界最大の原子力事故についてのことが展示されていて、原発事故の悲惨さを物語っており子どもたちにも行く機会があれば行ってみてほしいと仰っていました。

アフガニスタン戦争

この戦争は2001年から2021年最近まで続いていた戦争で西谷さんが訪れた際、母親が放射線を浴びたことによって生まれてくる赤子に影響が出るというお話を聴きました。

赤ちゃんには先天性異常であったり、白血病の子がたくさんいて多くの小さい命がなくなっているという事実に胸が痛みました。

見せていただいた動画には大きな腫瘍のある赤ちゃんがベットに寝ているシーンがあり、思わず目をそむけたくなる、そんな内容でしたが、児童たちは驚きながらも真剣なまなざしでしっかりと視聴していました。

日本にも原子力発電所によって多くの電力を発電していますが、原子力発電所が作られるまでにあたっての経緯はあまり知られていないのではと思います。

原子力発電所の開発には戦争が大きく関わっているのです。

まず最初に作られたのはウランという物質を核反応させ爆発する核爆弾の開発です。

その技術は潜水艦に用いられました。以前の潜水艦はディーゼルエンジンを使った動力でしたが、ディーゼルエンジンだと船内の酸素を多く消費してしまい、酸素補給のために海面へ浮上する必要があり、戦時中浮上した潜水艦を迎撃されるということがあり、工夫する必要がありました。そこで使われたのが原子力による動力です。

原子力による動力だと海水から水、水から酸素を作り出すことができ半永久的に潜水しておくことが可能になるからです。その動力の技術を発電に使えないかとなり原子力発電は誕生しました。

また、戦争から原子力発電に一方的に繋がっているだけではなく、原子力発電の際にウランを濃縮する過程で劣化ウランという物質が生まれます。この物質はとても重く、頑丈という理由から劣化ウラン弾という武器に代わってしまいます。なので原子力発電は戦争にもつながってくるのです。

では、どうしたら戦争を止めることができるのでしょうか?

西谷さんは広告が大切だと仰ってました。

戦争が舞台の映画などでも「贅沢は敵だ」と書かれたポスターを映すシーンがあるように国民の意識を戦争に向けさせるのも広告であるように、戦争はダメと訴えるのも広告であるということです。

今のロシアでもメディアによって国民を戦争に前向きにさせているという現状があります。

また、朝鮮戦争の時に日本の景気が上がった時のように、戦争によってお金儲けをする人たちがいます。そのような会社であっても人を傷つける機械の開発ではなく、人を助ける機械を作っていけるはずだと仰っていました。

AかBだけではなく、Cという選択肢もあるはずだ。

西谷さんはそう仰っていました。

また、間の休憩時間には子どもたちが西谷さんのところに寄り、

「戦車は一台何円?」

「ミサイルは一本2000万円だよ。」

「普段家でこんなお話する?」

などといった会話をしており、子ども同士で話し合ったりして考えを深めていました。

最後の質問の時間に

「西谷さんはなぜフリージャーナリストになったのか」

という質問から、

高校生の時に日本人のジャーナリストの人がカンボジアで200万人もの人が虐殺されているという報道をしており、その時に誰かが伝えないと知られない世界があることを知ったそうで、大人になってから市役所の職をやめてまでその夢をかなえたそうです。今のテーマである「自分の将来」についてのお話も聞けて、自分の将来についての考えを深めていくことができました。

 

西谷さん、とても大切なお話をたっぷりと話していただき、どうもありがとうございました。

 

(S.H)