【テーマ】渡辺圭一郎さんのお話を聴きました(低学年)


今学期は平和って何?をテーマにみんなで平和について考えています。

そして今回ゲストスピーカーにわたなべけいいちろうさんに低学年、高学年に向けて平和についてお話をしていただきました。

今回低学年クラスでのことを紹介したいと思います。

低学年のクラスでは、わたなべさんの自己紹介の後わたなべさんから「宝物」と呼ばれる赤い箱が出てきました。

「これは僕の一番大事なものが入ってるんだけど、なんだと思う?」

低学年の生徒たちに聞くとみんな次々に手を上げ「水や食料!」「自分の気持ち」「お金!」と自分の思いつく大事なものを答えていきます。

「じゃあこの絵本を読んだらヒントになるかも」とわたなべさんは一つの絵本を取り出しました。

『へいわってどんなこと?』というタイトルの日本、中国、韓国の絵本作家が手をつなぎ共同で製作した絵本です。

 

プロジェクターで絵本を壁に映し、わたなべさんの朗読と共にみんなで絵本を読みました。

見終わった後わたなべさんは子供たちに「みんなにとって平和ってどんなこと?」と尋ねました。

「人を守ること」「自分の好きなことができる!」「好きな服を買ってもらったとき」「戦争しないこと」

自分に身近なものから世界のこと、それぞれが自分にとっての平和について考えます。どんどん考えが溢れ、手を挙げる姿が止まりません。

 

「そうだね、全部大切だね。じゃあその平和のために大事なものがこの中に入ってます。今から一人一人に見せていくね。見た後中身は秘密にしてね。」と改めてわたなべさんは赤い箱を取り出しました。

生徒が1人ずつわたなべさんの箱を見にいきます。

箱の中身を見ると「あー!」「そういうことかー!」「なるほど〜!」とみんな納得や驚きの表情を浮かべ、中身をばらさないよう口を塞ぎながら席に戻っていきます。

全員が見終わった後、わたなべさんは箱の中身を全体に見せました。

箱の中には鏡がありました。

「平和のためにはまず自分のこと一人ひとりが大事だよね。それが大事な人を守ることにもつながっていくと思う。自分のこともみんなのことも大事にしていこうね。」

こうして低学年でのわたなべさんのお話は終了しました。

 

家族を大切にしよう、友達を大事にしよう、と自分の周りの人を大事にすることはとても必要なことだと思います。でもそれと同じくらい、まずは自分のことも大事だよね、とつい忘れてしまいそうな「自分の分」を思い出させてもらえる時間でした。

箱の中はなんだろう?と興味津々だった子供たちが、中身が「自分自身」とわかったときの、にこにこと嬉しそうな表情がとても印象的でした。

平和はまず自分から、と素敵なメッセージをいただきました。

(k)

編集後記

この講義が終わった後、渡辺さんがメールで感想をくださいました。

「平和ってどんなことかな?」と始めに問いかけた時に、「安心して死ねること」と言った子がいたことが、とても心に残っているということです。

「死」はネガティブなことと捉えられがちですが、実は「安心して死ねること」というのは、平和な社会の最高の恵みなのかもしれないと講義が終わってからいろいろ考えてみているそうです。

子どもたちから気づかされることがとても多かった、とおっしゃってくれていました。

(Y)