高学年のテーマ学習で、牧師、保育園長、そしてハンセン病支援をされている渡辺圭一郎さんのお話を聴きました。
コロナウイルスの広がる現在の世界と絡めて、ハンセン病のことについて話して頂きました。
渡辺さんは実際にハンセン病患者の方にお話を聞いたり、かつてのハンセン病療養所所を訪れたりしています。
コロナウイルスやハンセン病などに対する人々の反応として、病気よりもこわいものは、病気になったことによる差別などの不安であると言っていました。
約70年前に始まったハンセン病は、感染力はすごく弱いものの、戦時中の栄養不足などによって発病する人がいたそうです。
しかし、感染力が弱い病気にもかかわらず、感染した人は全国に13か所あるハンセン病療養所へ有無を言わさず送られました。子どもであっても、家族とはもちろん離れ離れです。
多くの人々は、ハンセン病の症状で手指や顔が変形した患者を気味悪がり、療養所へ送りました。
療養所へ連れていかれたら、消毒液の入った風呂に入れられ、お金を含めた持ち物はすべて没収、洋服も消毒されたといいます。
療養所内通貨の使用のみが認められ、現金はすべて没収。故郷に戻ることができないようにされました。
療養所に入ってからは、十分な治療もされず悪化する人や、島内で荷物運びなどの仕事をさせられる人もいました。
とても悲しいことに、一度療養所へ送られた人々は、ハンセン病が完治したとしても自分の故郷へ戻れることはありません。見た目は治らないからです。
現在でも約1000人の人が故郷に戻れないそうです。
それは、見た目のことで自分の家族や周りに人に迷惑を掛けるのではないかという気持ちがあったり、故郷に戻っても仕事がなかったりするからです。
日本で起こったハンセン病についての悲しい現実を教えてもらいました。渡辺さんから、どうしたら差別のないいい社会になると思うかという質問がありました。
「笑ったりするんじゃなくてあの人もしんどいんだよと言ってあげる」
「自分の中での常識をつくらない」
このような子どもたちの考えがでました。最後に、これからそういう場面に出会ったら、
「もし私だったら、、、」と考えてほしいという言葉をもらいました。
そして、周りの意見に流されず、まずは自分はどう思うのかという自分のものさしを持つことが大切だと教えていただきました。
平和な社会を作るために、過去にあった差別の問題を知ることはとても大切だと思います。
素敵な時間をありがとうございました。