こどもの森学園の卒業生、多喜春華さんにお話を聞きました。
春華さんは、お父さんが阪神淡路大震災で被災され、自身も熊本地震を経験されました。
そして2017年には東日本大震災の被災地である宮城県で働かれていました。
自身の体験や被災地を訪れて感じたこと、聞いたことに基づき、災害後の心についてのお話をしてくれました。
大きな災害の時は、避難所での生活を余儀なくされます。
避難所の実際の写真を見て、避難所で起こる問題について考えました。
子どもたちからたくさんの意見が出ます。
「トイレに行くのに時間がかかる」
「ゆっくり眠れない」
「食べ物がない」
「服や体がにおってくる」
「ストレスがたまる」
避難所での生活でこのような問題が出てくると、どんな気持ちになる?身体にはどんな反応が出る?という問いに
「眠れなくなる」
「悲しい気持ちになる」
「食欲がなくなる」
などの意見が出ました。
心も体も普通の状態ではないことがよくわかります。
そして、宮城県石巻市の大川小学校での出来事について聞きました。
地震発生後みんながパニックになって津波の方に向かっていってしまい、多くの児童と先生が命を落としました。
子どもだけでなく大人までもがパニックになったということです。
地震発生直後は、多くの人が正しい判断ができません。なので、
➀落ち着いて行動すること
➁事前に備えること
が大切だということを教えてもらいました。
春華さん自身も、熊本大震災のときの地震速報の大きな音と揺れでとてもパニックになったそうです。
事前に避難場所を確認していなかったので、どこに逃げたらいいのかもわからない状況になったと聞きました。
震災で命が助かっても、災害後の生活には大きなストレスがたくさんあります。
なので、困難な生活の中で少しでも心を落ち着かせるためのリラックス方法をみんなで出し合いました。
たくさんのアイデアが出ましたが、「ギャグを言う」と書いた子がいました。
実際にギャグを言ってもらうと、みんなが笑顔になりました。
きっと災害時の心が落ち込んでいるときの励みになること間違いなしです。
他にもみんなでストレッチをしてみたり、リラックスできるツボを押してみたり。
たくさんの方法を知っていることで、いざというときの心の助けになる気がします。
実際に被災された方のお話は、本当に心にグッと伝わってきました。
春華さんも、あの東日本大震災のことをニュースで見て大きなショックを受けた日から、10年ほどたってやっと自分の経験と結び付けて震災について話せるようになったと言っていました。
生き延びるための術だけでなく、被災したときの自分の心のコントロールや、被災された方の心への寄り添い方についても知っておくことが大切だと感じました。(K.K)