2学期のテーマ「いきものプラネット」。
今回の高学年クラスの時間では、
名城大学の農学部生物環境科学科の教授であり、こどもの森中学部の保護者でもある、
日野輝明さんに「生物多様性ってなに?」ということのお話を聞きました。
まず「どんなテントウムシを知っている?」という問いかけで、たくさんのテントウムシの写真が並びました。
いろんなテントウムシが存在していて、世界で6000種類、日本では180種類のテントウムシが確認されているそうです。そのテントウムシは、カブトムシなど甲虫目というくくりでも分けられ、さらに昆虫網、節足動物門、動物界、などどんどんとくくりを広げていくことができます。そう考えていくと、全く違うような種類でも、同じ生き物として考えることができます。
また、1種類のテントウムシでも、色んな柄や色味のあるテントウムシがいて、1種類といえども、たくさんの個性があり、住む場所や環境によって様々だということがわかりました。
生物多様性とは、
いろいろな個性をもつ個体の集まりがあり、いろいろな種類の生きものがいろいろな場所に住んでいること。
そして、それぞれがつながりを持っていること、バリエーションが大切だ、ということを聞きました。
つながりは、時間的な縦のつながりと、空間的な横のつながりがあり、
縦は、最初の生き物からどんどん進化をして、自分の祖父母、父母とつながり、自分が存在しているという、つながり。
横は、自分から家族、社会、地域、国、世界、地球へとつながっている関係を示しています。
全ての生き物は、つながっていて、何かが欠けると何かがうまくいかなくなり、バランスが崩れていきます。
殺虫剤は、水にまじってプランクトンが吸収し、それを魚が食べ、鳥がその魚を食べる。
わずかな量の殺虫剤も、鳥までには、その濃度は、最初の80000倍にもなるそうです。
それぞれがつながりを持っているさけでなく、
バランスのとれたつながりをもつことが大事だということがわかりました。
最後は、そんな生物多様性のある世界から自分の暮らしのことを考えました。
便利さばかりを追求するのではなく、地球に住む生きもののことを考え、
どんなものを買って、使っていくのか。
目の前にあるもので判断せずに、その背景を知り、理解することが、
これからの自分たちの生活を変えていくヒントになりそうです。
(K.F)