「哲学キャンプinこどもの森」を開催しました


8月11日・12日の2日間、夏季セミナー2012「哲学キャンプinこどもの森」を開催しました。
こどもの森の内外から参加者が集まり、泊まって・語り明かして・「哲学」をするという企画。
「哲学」といってもそんなに難しいものじゃありません。
少人数のグループに分かれて、テーマに沿って話をする、というもの。
こども達がことば共同で行っている「哲学」を、泊りがけで大人たちもやってみよう、ということです。
ポイントは「前提を疑ってみる」「問うことを面白がる」こと。正解や不正解はありません。
1日目のテーマは2つ。それぞれ最初にコメンテーターから話題提供があり、その後グループにわかれて哲学をしました。
前半は社会カフェ。「今はどういう時代なのか」
オム・チャンジュン(学校法人コリア国際学園校長)
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様々な社会システムの変化について説明があり、今や狭い民族主義や国家主義教育を盛り超えて、世界市民としてのアイデンティティが必要である、というお話でした。
そして、「世界はどう変わっているのか」、「その世界で求められる教育とは」ということについてグループに分かれて話します。
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グループの中には中学生がいたり、大学生や社会人がいたり、卒業生の保護者だったり・・・世代も背景も様々!
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私は各グループの部屋を行ったりきたりしていたのですが、各グループでこんなにも違うのか!というくらい色々で面白かったですよ~。
そしてそれぞれの班の代表が全体にシェアをして、1部は終わり。
最初は少し固かった雰囲気も大分うちとけて、和気あいあいとしてきました。
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後半は哲学カフェ「人間の成長とは」。
辻正矩(NPO法人箕面こどもの森学園学園長)
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孔子の生き方・成長の心理学・社会の成長について順に話があります。
そしていよいよ哲学。
まずは、一人ひとりが自分の成長はどうありたいか?どうなっているだろうか?
図で、文で、紙に書いてグループの中で発表しあいました。
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次は、社会の成長について。
もっとSNSで人がつながって、地域のコミュニティより、場所を越えて似た人が集まるんじゃない?
たしかに、SNSはすごいですよね~
いや、もっと違う人たち同士混ざり合って、「ごちゃっ」とするんじゃないかなー
話は盛り上がります。
全体でのシェアリングも、それぞれのグループにチームワークが生まれてとてもいい雰囲気でした。
2つの哲学が終わり、夜の時間は隠れたメインイベント。
おいしいタイカレーやビール、中学生はジュース片手に、おしゃべりに花が咲きました。
名古屋から来た方と広島から来た方が意気投合!なんてことも。
いくつものわっかができて、深夜まで笑いが絶えませんでした。
2日目は、科学カフェ「たて糸とよこ糸の数学論」。
松崎雅夫(数学教育協議会会員)
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「わかる」ってことと「できる」ってことはどう違うの?
というテーマで哲学しました。
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むずかしくて、公式をとにかく覚えて答えを出して・・・そんな風に思っていた数学の世界が実はとっても感動に満ちていて美しい世界なんです。
答えに向かってまっすぐに突き進む「たての数学」、回り道して世界を面白がる「よこの数学」について、議論が起こりました。
最後に2日間の感想を聞いてみると・・・
「アミさん(松崎さん)の数学に対する愛と情熱に感化されて、もう一度数学を学びたいと思うようになりました。」
それは素晴らしい!
「こんな場は希望だなーと思いました。人間だけが「考え」をもっていて、その考えをどう使うかが大事。」
深いです。
「普段、考えたり問うたりすることが許されないのがほとんどなので、考えることができてよかった。」
なかなか前提から問い直す機会って与えられないものですよね。
「年齢、性別を越えて実のある話し合いができました。」
「問題意識の高い人にあって感動しました。また何か一緒にやれればいいですね。」
本当に、この場がきっかけとなって色々な人とつながり、新しいことができればいいですね。
こうやって地域の方や遠くから人が集まって来てくださることをありがたく思います。
最後に参加者もスタッフも「哲学者認定書」をもらい、今日からできることを書き込んでいました。
問うことは学ぶこと。
哲学仲間をもっともっと増やして一緒に学んでいけたらな、と思います。
とにかく、とっても楽しい2日間でした!ありがとうございました。(Y.N)