ジタ-リング、ワンダーワイヤー、割れないシャボン玉…


アミさんの「かずの不思議」という授業が始まりました。アミさんは高校の数学の先生を長年やっておられた方ですが、子どもたちに数学の不思議さ、楽しさを伝えたいということで、月曜日にある「科学と社会」の時間に月1回来ていただくことになりました。
今回は、「クルクル(=紙万華鏡)を楽しもう!」というテーマで行なわれました。クルクルというのは、それをクルクル回すとパターンがいろいろ変化するもののことですが、クルクルにはいろんな種類があります。最初に見せてもらったのが、ジター・リングというもので、直径30cmくらいの金属製のリングに小さなプラスチックのリングが5個はめ込まれたものです(アミさんがイギリスで手に入れたものだそうです)。左手で大きいリングを持ち、右手で小さなリングをこすって全部いっしょに回します。小さなリングが回り始めると両手で大きなリングをクルクルと回します。そうすると、下の方にあった小さなリングが遠心力で大きなリングに沿ってクルクル回りながら横の位置まで浮き上がります。大きなリングを上手に回さないと小さなリングの回転が止まってしまいます。それを見ていた子どもたちにアミさんが「やってみるかい?」と声をかけると、すぐに行列ができました。最初はなかなかできなかったのですが、少し練習してコツをつかむとみんなできるようになりました。
くるくる0 くるくる6
次にアミさんが見せてくれたのが、ワンダーワイヤーという、ハリガネをらせん状に巻いたコイルです。中央の部分にはもう一つコイルが合わさっていて、いわゆる二重らせんになっていました。そのコイルを水平にして、その両端を両手で持ってクルクルと回すと、波が左の方から右の方へ伝わっていくように見えます。理髪店で見かける赤と青の縞模様の看板がクルクル回ると下から上に迫り上がりますが、それと同じ原理です。
3つ目は「割れないシャボン玉」で、これは丸い木の棒を垂直に立て、そのてっぺんに取り付けたリングから放射状に虹色の8本の帯状のヒモをたらし、その先端を棒の中ほどに取り付けたリングに結んだもので、ちょっと「ぼんぼり」の形に似ています。棒をクルクル回すと、あら不思議!シャボン玉のようなキラキラ光りながら揺れる形が現れてきました。もっと強く回すと、シャボン玉の真ん中へんがくびれてきて、ダルマさんのような形になりました。
くるくる5 くるくる4 くるくる3
さて、これらのクルクルで遊んだ後、今日の本題である「折り紙のクルクル=紙万華鏡」作りをしました。先ず、紙の上に印刷された型紙(エッシャーの3軸対称の図形)を切り抜きます。次に、描かれた谷折りと山折りの線を定規に当ててボールペンや鉛筆でなぞって折り目をつけます。そして、その図の両端部分を両面テープで接着します。そうすると筒状になりますが、これを両方の手のひらでくるむようにして、山折りと谷折りの折り線にあわせて折っていきます。回転させながら徐々に折っていくと、一つの図柄のパターンが現れます。それを回転させながら折り進めると、また別のパターンが現れます。さらに回転しながら折り進めると、また別のパターンが現れます、と説明すると簡単なようですが、実際には、そう簡単にはいきませんでした。
くるくる1 くるくる2
折り線をボールペンでなぞるときに強く線を引き過ぎて途中で紙が破れてしまったり、折り目がきっちりと付いていなかったため回転しなくて折り込みが進まなかったり、なかなか思うようにいかない人もいました。それでも、破れた箇所をセロテープで補修したり、折り目をもう一度きっちりと入れ直したりして、なんとか完成しました。アミさんが美しく折るコツは「①定規を当てて、折り線の一方の端からもう一方の端まで、少しだけ力を入れてボールペンでていねいになぞる。②全部なぞり終えたら、先に谷の箇所を全部、次に山の箇所を全部、それぞれツメをたててしっかり折る」と事前に説明してくれていましたが、ここのところがきっちりできていなかった人たちが苦戦していました。できあがったクルクルを回すと、模様が次々に変わって万華鏡のようです。
くるくる8 くるくる7
こうして今回は3軸対称の折り紙のクルクルを作りましたが、次は4軸対称やそれ以上の難しいクルクルにチャレンジします。次回が楽しみです。(M.T)