2学期のテーマ「さべつのたね(※)」で、暮らしのちがいについて学んでいるグループの人たち。
(※)「さべつのたね」については、こちらをどうぞ。https://kodomono-mori.com/blog/?p=17398
この日は、ライトピア21(萱野人権文化センター)へ行きました。
高学年と低学年に分かれて学びます。
~高学年編~
高学年の人たちは、この地域に長く住まれている中嶋さんのお話を聞きました。
中嶋さんが小学生のころは、鬼ごっこやすもう、川でザリガニ取り、木の実取り、すごろくなどで友だちとよく遊んでいました。
でも時々不思議だなと思うことがありました。
それは、学校帰りに友だちと約束をして、色々な地域に遊びに行きましたが、中嶋さんの所には遊びに来ない人が数人いたそうです。
それをずっと不思議で寂しいと思っていました。
ある時から中嶋さんと話してくれなくなる友だちがあったり、おやつの前に友だちのお母さんから「あなただけ帰りなさい。」と言われて
泣きながら帰ったこともあったそうです。
あるお店で買い物をした時には、小銭を払おうとしたらザルを差し出され、入れるとジャブジャブと井戸水で洗われるという経験があり、その地域に行かなくなりました。
大人になった後も、就職先を探すうちに数件の会社から「試験を受けても受かりませんよ。」と言われました。就職が決まり、ある日、中嶋さんの名前だけに印がつけられていて、その意味が解かり、楽しく働いていた会社を辞めました。のちに結婚したい人が現れ、両親からは反対されましたが、意思を貫き結婚出来て良かったことなどを話してくださいました。
中嶋さんのお話を聞いて子どもたちは
「人種差別は今までに聞いたことがあったけど、地域ごとに差別があることを知ってびっくりした。」
「お店でお金を洗う意味がわからない。」
「差別を受けて心がめっちゃつらかったと思う。」
「周りの地域から違う目で見られ、すごくつらかったと思う。」
と自分が感じたことを話しました。
中嶋さんの、「僕らがつらいことがあったらみんな助けてや。」という言葉に、「うん!」とうなずいた子どもたち。これまでの理不尽な体験を聞き、大きな驚きとともに「そんなん、おかしい。意味わからへん。」という心の声が聞こえるようでした。
「どうしてこんなことが起こったか、自然にできた事じゃないんやで。」の中嶋さんの言葉に、これまで知らなかった差別の歴史を知ることはとても大切な事だと実感しました。今回の学習が、差別の種がどこにあるのか、安心して暮らせる社会を作るにはどうしたらいいのかを考える事につながる学習になりました。
今回の学習にご協力いただいたのは、NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝(http:/www.kitashiba.org)で、この地域では差別を受けてきた歴史にとどまらず、現在は誰もが安心して住めるまちづくりに取り組まれています。
M.Y