Manabeeプログラム 「ぼくはおこった」 気持ちの移り変わりを体験しよう!


低学年「ことば共同」Manabeeプログラム

10月28日(月)低学年クラス2コマ目。ある絵本を使用し【事前イメージと事後の違いを感じることでキモチの移り変わりを体感する】というテーマで、Manabeeメンバー4名で共育プログラムを実施させていただきました!

想定外のことに焦りながらも、子供たちの素直で大きなパワーを実感した時間となりました。

 

当日は、22人の参加。子どもたち11人に、Manabeeメンバーの大人2人というグループを2つつくり、展開の仕方によってどうなるか分からないから結果は手放すというスタンスで取り組みました。

計画したプログラムは以下↓

①絵本の表紙を見せ、イメージを膨らませる。

②題名を見せ、どうしてこの題名なのか、どんなストーリーなのかを考える。

③読み聞かせをし、①のイメージと違ったかどうなのかを確認する。

④新しい題名をつけるとしたら?や、続きを考えるとしたら?など展開を考える。

 

使った絵本は、「ぼくはおこった」(ハーウィン・オラム作、きたむらさとし絵、評論社)。この絵本を知っている子もいるだろうなとは思っていたのですが、実際は、想定外の事態に当初のテーマを変更せざるをえないことに…!あとで詳しく話します。

 

プログラムの内容決定までの経緯をお伝えします。

我が子が小学校低学年であるメンバー2人の意見が、「感情をことばにするのが苦手」だとのこと。この、「感情をことばにする」作業ができればいいな、ということで、「感情とことば」にフォーカスを当てたプログラムづくりが始まりました。

Zoomアプリを使って打ち合わせをすること3回。メンバー2人から出た案を合体し、上記プログラムのカタチになりました。

 

当日、9時に集合し最後の確認や読み聞かせの練習などをしました。

最初の自己紹介では最近の失敗談を話すことで自己開示をし、場を和ませたところでくじ引きでグループ分けをして、スタート!

ここで冒頭お伝えした想定外の事態。

Aグループでは、絵本を見せたとたん半数の子が

『知ってるー!「ぼくはおこった」やん!』と・・・。

題名を伝えずわざわざ隠して、まずは絵だけを見てイメージを膨らましてもらおう!という私たちの目論見は早々に崩れ去り・・・

探り探りで絵本の内容である「怒り」の感情にフォーカスしていくことになったのです。

 

Bグループはというと、絵本を知っている子はいたものの、内緒にしててねというお願いに快く協力してくれ、なんとかスムーズに冒頭部分は進むことに。

しかし、どちらのグループも主人公の男の子の破壊シーンに心を奪われ、その話や、1学期に勉強していた宇宙話が盛り上がり、収拾のつかない事態に。

この絵本の肝要な部分が最後の1ページ。男の子が今まで散々怒り、部屋や街、地球さえも破壊しまくったにも関わらず、「どうしてこんなにおこったんだろう」と、さっきまでの自分を不思議に思いながら眠りにつく、という場面。

自分の場合はどうかな?こういうことってあるかな?ということも考えて欲しかったのです。でも実際は、そこまで到達できず…でした。

少し不完全燃焼な感で終わった今回のプログラムでしたが、最後にある女の子が「新しい題名つけるとしたら、『ぼくはもうおこらない』にして、平和にしたいなー」と言いに来てくれました。素敵な考えを聞くことができてよかったです!

振り返りでは主に以下のことが課題として挙がりました。

ある程度の規律(誰かが話しているときは、しっかりその誰かの話を聴くなど)を私たちが意識することの重要性

題材をどう選ぶか。また、対象をどうするか。

「怒る」まま終わらず、怒った気持ちはどうなるのか?自分はどうしたいのか?など、その後の話までできたら深められる。

 

想定外がたくさんあったこのプログラムでしたが、「結果を手放す」というところでいうと、これも一つなのかなと思います。子どもたちはどの子も一生懸命取り組んでくれました。

今回のプログラム、Manabeeメンバー4人は、仕事も立場も違い、それぞれが忙しく時間も限られている中、スタッフさんのサポートもあり、なんとか作り上げたこと、また低学年の子どもたちの前でプログラムをさせていただけたことをありがたく思います。

自分の気持ちや思っていることを率直に表現できる、箕面こどもの森学園のこどもたちの素晴らしさも体感できました!また、自己決定・対話・ESDを考えながら日々プログラムをつくっているスタッフのみなさんのすごさと素晴らしさも改めて感じることができました。

本当にありがとうございました。