LGBTのお話②〜テーマ「さべつのたね」〜


10月24日(木)、テーマ「さべつのたね」感じ方の違いグループの子どもたちのところに、

トランスジェンダー当事者の筌場彩葵(うけば さき)さん(ニックネーム:ばっちさん)が来てくださいました。

LGBTとは何か、ご自身の体験などを、子どもたちへの問いかけを挟みながら語ってくださいました。

LGBTのお話①〜テーマ「さべつのたね」〜の続きです)

 

「この絵を見て、変だなーと思うことはありますか?」

(出典:『行動力をはぐくむ教室 もちあじワークで多様な未来を』沖本和子著、解放出版社)

 

「え〜、男みたいな子がスカート履いてる」

「真ん中の子、(足を広げて)男みたい」

子どもたちが口々に言いました。

 

「男の子がスカートを履くのって、変ですか?

女の子がズボンを履くのって、変ですか?どう思う?」

 

「う〜ん…」

 

そこでスタッフが

「まーちゃん(学園長)がスカート履いてたら?」と聞くと

「えー!吐きそうになる!」

「びっくりする!!」

と大笑い。

「じゃああゆ(女性スタッフ)がズボン履いてたら?」と聞くと

「別にふつう」

「ちょっと珍しいけどふつう」

 

ばっちさんが

「じゃあ、自分がスカートを履いてみたらどんな感じになると思う?」と聞くと、男の子たちは

「全然ふつうじゃない!」

「自分で自分に引く」

 

ばっちさんは続けました。

「わたしも初めてスカートを履いた時、自分でも気持ち悪いなって思いました。

その姿で梅田の街を歩いた時、通りすがりの人から

『あれ見て』

と笑われて、傷つきました」

 

「でも世界には、男の人がスカートをふつうに履く国もあるんです」

「日本の着物だって、外国の人から見たらスカートっぽく見えるかもしれないですね」

 

「人っていろいろです。一人ひとり持ち味があります。

身体も、好きなことも、服装もいろいろ。

育ってきた環境も、育てられ方もいろいろです。」

 

「自分にとってふつうじゃない人に出会うことって、これからもあると思います。

その時、この気持ちを忘れないでほしいと思います」

 

子どもたちから質問が出てきました。

「生まれた時からずっと気持ちは女なの?」(3年)

「あんまり気にしてなかったです。だんだんとわかってきた感じ」

 

「好きなもの、買ったりしたん?」(3年)

「あんまり買えなかったよ。親に買ってと言えなかったし。自分で買えるようになってから買うようになりました」

 

「自分がふつうじゃないと思ったりするのかな?」(6年)

「思ってました。自分みたいな人に会ったことがなかったから。

みんなと同じようにできないのはダメなんじゃないかって思っていました。

(LGBTのことを知らなかったから)イメージできなかったんです」

 

ばっちさん、ご自身のことを語ってくださって、ありがとうございました。

知らないということが差別を生むということ、

裏返せば、知ることで差別をする心が生まれなくなるのだと、改めて感じました。

 

 

以下、学習を終えて子どもたちの感想の一部をご紹介します。

 

*最初はびっくりしたけど、そういう人もいるのがわかった。性別で決めつけは良くないと思った。(5年)

*男の人がスカートを履いたらおかしいのに、なんで女の人はズボンを履いてもおかしくないんだろうと思った。(4年)

*心が男でも見た目が女でも悪くないんだなって思った。(4年)

*(ちっちゃい時)好きなことできなくてかわいそう。(2年)

*人間はいろいろいるなあ〜って思った。(3年)

 

(A.M)