屋台づくり


 「もし誰かが来て、“こどもの森学園”って言う名前やけど、木があんまりないなぁ~ていうかもね」と聞いてみたら、「ある!僕らが木やねん、スタッフも、いろんな物も木やねん、学校に木は一杯ある!」と元気な声が返ってきました。
 友だち、スタッフ、机やイス、はさみ、かなづち、おなべ、校庭の土の中の虫、みんな学校の木です。
「学校の森づくり」ではみんなで相談しながら作ったり考えたりして、どんどんいごこちのいい森(学校)にしたいと思っています。そして今“屋台”を作っているところです。
 すのこ状の不要な木があったのでリサイクルして屋台を作りたいと提案し(スタッフ提案の“選択プログラム”といいます)参加希望者がいたので、作る事になりました。
 「3、4人入れるのがいい」「屋根の高さはこれぐらいにしたい」「天井は雨が降っても大丈夫な方がいい」「こまをつけて動かせるようにしたい」「夏祭りに屋台で何かを売りたい」
 ほお~、なるほどー、とまずは楽しい希望を聞かせてもらいました。色々な意見が出て、可能な計画を立てて、そして、2回目の今、ここまで進みました。
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 「数を数える時には呼び方があるよね、5円、2本、1匹・・」と単位について話し始めると、「ウサギは1匹っていうのと違う!羽って言うねん。初めウサギを鳥とおもてたから、1羽って数えるんやで」などこどもたちからも色々な話が出てきました。その後、この活動でよく使う“長さの単位”の1メートルや1センチメートルがどれぐらいの長さなのか知っておいてもらいたいと伝えました。
 このプログラムを選択した人は2年生から4年生までと幅があるのですが、それぞれ自分の体で1メートルがどれぐらいなのか測ってみました。地面から鼻の辺りまでの人、肩の辺りまでの人など、それぞれが“自分の1メートル”を覚えました。1センチメートルは自分のどの指の幅ぐらいかも測ってみました。
 その後みんなは枠に使う長い1本の角材を同じ長さ2本に切る事にしました。
「この木を丁度半分に切るために印をつけたいけど、どうして真ん中を見つけたらいいかなぁ?」と聞くと「長さを測って、2で割ったらええわ」と高学年。低学年が「割り算でけへんー」「高学年が計算したらいいよ!」「・・・あんな、さし(メジャー)で端から端までの長さを測って、さしを半分に折ったらいいん違う?はしからその折ったとこまでがが半分やから」「そっか、そうする方が割り算するより早いなぁ」と言う事で、あっという間に、数本の木の真ん中にしるしが付けられました。
 「釘を打つ所には、さきにきりかドリルで穴を空けといてほしいんやけど、何でと思う?」と聞くと「釘の打つ場所がわかるからかな?」と言った人に、「木が割れないようにや!」とまえに薄い木に太い釘を打ち込んで木がひび割れしてしまった人が答えてくれました。
 「道具って何?材料って何?道具とどう違うのかな?」など、どんどん質問してみると、知ってる人たちがそれぞれ自分のことばでわかりやすく説明してくれました。そういう話の時、木工するのが初めての人は、質問したり説明を聞いたりしながら参加してくれています。
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 道具と材料は適した組み合わせが大切な事、しっかりした「段取り」が仕事をスムーズにする事なども作業経験の繰り返しの中でゆっくりと知っていってもらえたらと思います。でも何より今はできあがった屋台で何かを売りたい!というのがこどもたちの一番の目的です。(Y)