NPO法人箕面こどもの森学園

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論⽂・エッセイ

自分たちでつくる体育祭

2017/04/20

自分たちでつくる体育祭

 大阪の北部箕面市に、箕面こどもの森学園はあります。こどもの森の特色の一つに、行事などをこどもたちが計画し、準備して、実行していく、ということがあります。そんな行事のひとつ、「体育祭」を今回ご紹介します。

 こどもの森の体育祭は、毎年5月に行われ、毎年多くの人が楽しみに待っている行事の一つです。行われるといっても、まずは全校集会とよばれる小学部から中学部の人が一同に集まり学校のルールなどを決めていく時間に、その年に実施するかしないかの話し合いが行われます。そこで実施することが決まれば、7つにわかれたファミリーグループ(学年を縦割りにわけて組み合わせたもの)に分かれ、やりたいプログラムを決め、準備を進めていきます。それぞれで必要なものを確認し、足りないものはプロジェクトの時間に作ったり、休み時間も使って準備をします。それぞれのグループには一応、担当のスタッフがつくことになっています。ですが、こども達だけで、スタッフの手を借りなくても、どんどんとルールを考えたり、役割を決めたり、必要なことを考え、進めていきます。なぜそんな風に、こども達自身で進めていけるのか。それはまさに、毎年の積み重ねの成果だと思います。学年が下の人たちは、どうしてもまだ話し合いやグループで取り組むことに慣れていません。そんな中で、年上の人たちが彼らの話を聞いて、こうしてみよう、こういう風にしたらどうだろう、と声をかけサポートをしていきます。そうやって過ごすうちに自然に対話の進め方を学んでいき、次の年には逆の立場として、下の子たちにサポートをしてあげられる存在になっていきます。そうやって積み重ねてきた、こどもの森の行事は、本当にこどもたちが中心になって、主体的に作り上げていくものになっています。

 体育祭本番当日は、家族はもちろん、こどもの森以外の友だちも参加ができます。また、トラック(といっても小さなコーンを並べただけですが..)の周りにテントやシートを敷いて、のんびりと、時に賑やかに、家族や友だちとワイワイガヤガヤとしながら時間を過ごせることも、こどもの森の体育祭の魅力でもあります。赤と白に分かれて点数を競うこともなければ、学校が決めたプログラムにそって、走ったり、投げたりすることもありません。マラソンという名の、準備運動をかねたランニングから始まり、こどもも大人も顔を真っ白にして盛り上がるアメ食い走など。しょうがいぶつリレーでは、水鉄砲がしたいからと水鉄砲で紙をぬらして破るコースもできました。玉入れの場合は、カゴを作るところから始まり、玉も1個1個、新聞紙やテープを使って丸めて作っていきました。そして、カゴは棒につけるのではなく、人が背負って逃げ回ります。玉を入れ終えると、入った玉の数をかぞえますが、途中で数がわからなくなり、「もうみんな楽しんだから、勝ち負けは関係なし!これで終わり!」と終わってしまう一幕もありました。それぞれのプログラムはこどもたちだけが楽しむわけではなく、大人も一緒に参加して楽しみます。飛び入り参加、という名で、こどもたちが走った後に、おとな達も参加できる時間があり、こどもたちと同じコース、同じやり方で、一緒になって汗を流します。プログラムへの参加は、ゴールテープや、パン食いのパンをぶらさげるひもを持ったりするなど、プログラムを進める上でのサポートも一緒にします。

 4月から新年度が始まり、体育祭はみんなで準備を進めてきて実施する最初の大きな行事です。緊張した様子で入学してきた人たちも、少しずつ慣れてきて、毎年、体育祭の後には、新学期からのフワフワとした雰囲気から、ぐっと連帯感が強まり、こどもたちのまた新たな表情をみることができます。
(現代学校運動JAPAN機関誌掲載分※現代学校運動JAPANのホームページはこちら!)

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