世界の料理 トルコ


2学期の世界の料理はトルコの料理です。

ヨーロッパとアジアにまたがって位置するトルコ共和国は古くから交易の中心地として栄えました。トルコ料理はロシア、エジプト、イランをはじめ多くの国から紅茶、香辛料、フルーツなどいろいろな食材がもたらされた影響を受け、豊かでとても洗練されたものになりました。

今回は2グループに分かれ、ヤプラック・サルマとハヌムギョベイを作りました。

 

ヤプラック・サルマはブドウの葉っぱで味のついたご飯を巻いたトルコの伝統料理です。ヤプラックは葉、サルマは巻くという意味です。

 

まずブドウの葉の塩漬けをお湯で塩抜きし、タマネギとイタリアンパセリのみじん切りをひき肉と共に混ぜたものを具にして巻きます。

 

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しお漬けの葉っぱを広げ、じっと眺め「へ~、これがブドウの葉っぱ? 初めて見た~。」という声が聞こえました。鍋で湯がくときには「葉っぱの独特のにおいがちょっとニガテ~!」という声もありました。

具を真ん中に置き、クルクルと巻いて鍋に入れたあと、トマトペーストと水を加えたもので煮ました。

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ハヌム・ギョベイはシロップに漬けた甘いドーナツで、トルコ語で「貴婦人のおへそ」という意味です。

 

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鍋にバター、砂糖、塩を入れ、薄力粉、卵を混ぜ冷蔵庫で冷やし寝かします。

クルミくらいの大きさのお団子にするつもりが、柔らかすぎてまとまりません。予想外の苦戦です。

 

「何でだろう。卵を入れすぎたのかな。べたべたして全然まとまらない!」

小麦粉を足して、それでも硬くならないので、指でドーナツ型にできず

困っていたところ、1年生の一人が絞り袋に入れて油で揚げることを提案しました。

「クッキングシートを切ってその上にまるく絞るといいよ。」

調理時間がどんどん過ぎていく中、大急ぎで作業を進めました。

形は色々になりましたが、何とか全部揚げることができました。

 

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みんなの「いただきます。」の声と共に、鍋のふたを開けるとヤプラックサルマは柏の葉っぱに似た独特の香りとお肉の匂いでおいしそう。

ヨーグルトにニンニクを入れたソースをかけると少し酸味があり、さっぱりとした口当たりになりました。

 

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ハヌム・ギョベイは丸い形にできたのは少ないながらも、味はおいしくできました。シロップに漬けると甘すぎると思い、上からかけていただきました。

 

学期の終わりに1冊の冊子にまとめました。

 

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冊子にはトルコについての基本情報や作った料理のレシピ、トルコティーについての説明などを書きました。

 

感想には「ヤプラックサルマはブドウの葉で具材を包んで食べることにびっくりしたけれど味は美味しかった。トルコの事を知れてよかった。」

「ハヌムギョベイは生地がべちゃべちゃで失敗したかなと思ったけどおいしくできてよかった。家でも作ってみたい!」などがありました。

 

外国の珍しい食材を使っての料理で、文化の違いを感じられた楽しい体験になったようです。

(M.Y)

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<中学部担当スタッフからのコメント>

世界の料理は、毎回いろんな世界の文化を知って、それについて考えて対話して、そこから実際に料理をして味わう、というプログラムで、料理が好きな人が多い中学部で特に人気のある選択プログラムの一つです。

一般的には中学校で世界の地理について学びますが、いろんな地域の地理的な特徴を教科書や映像で学んでも、実際にそこに行くことができるわけではないし、実感として知ることは困難です。

この世界の料理のように、少しでも五感を使って理解することができると、感覚にも残って忘れない記憶になったり、それに関連して新たな興味関心が湧いたり、行ってみようと思ったりすることにつながっていく気がします。

また、まとめを作り過程でも役割分担をして作業をしていて、それぞれが声を掛け合って進めているため、自然と協働する学習になっています。最後にクラス全員でできたものを食べるのも共同体として過ごしている感じがしますね。

 

今回のトルコは、小学部にトルコに住んでいた人がいたり、最近中学部に来てくれたManabee講座の一日体験の方がトルコ語を勉強していたり、といろんなつながりがあります。

そういったことと関連して様々な学びが生まれ、今後にも活かされていくはずです。

(J.S.)