映像作品をリテラシーで楽しむ~ワールドオリエンテーション”メディアリテラシー”~


この日のメディアリテラシーのテーマは映像作品。

かつてテレビのカメラマンのお仕事をされていたことのある、和田憲明さんにお越しいただきました!

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和田さんは実は箕面市在住で、学校にとってもご近所さんであり、しかも教育カフェ・マラソンに来ていただいたこともあるのです。

※その時の様子は→こちら!

 

和田さんは、現在はご自身が立ち上げに携わったファザーリング・ジャパン関西の副理事長も務めながら、主に主夫として活動をされています。

自己紹介で、そんなご家庭のお話から入っていただき、子どもたちには新鮮な感じがしたようでした。

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↑指し棒はよく見るとスプーン…そんなマジックも交えてのお話でした。

 

自己紹介が終わる頃に、お話はメディア関連の視点に。

自己紹介の最後の写真は、お母さんが子どもたちとお家で餃子を作っている一枚。

これは「妻からプレゼンの際には必ず入れるようにと言われている」とおっしゃるもので、

それを見ると、和田さんが主夫として家事と子育てをしている家庭でも、ちゃんとお母さんも「家事」「育児」の両方をしていることが1枚でわかってしまいます。

 

そんなところにもメディアリテラシーの視点があります。

 

メディアのお話の本編では、アメリカ大統領選挙に絡めて、ひとつの画面でどの候補を大きく、力強い写真にするか、という違いだけで、受ける印象が大きく変わることを目の前で体験。

何気ない情報の発信にも、発信者の意図が見て取れることを知りました。

 

また、最近の人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の1シーンの構図をもとに、それがいかに考えられたものであるかを解説していただき、同じ場面でもどのようにカメラを使うかによって、映像の質が変わることも知ることができました。

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更に学園内でも男の子の間で大人気のスターウォーズ。

ストームトルーパーの写真。初めてこれが公開された時、驚きの声が挙がったと言います。

なぜか。

 

ストームトルーパーが真っ白だったからです。それまでの悪役は基本的には黒でした。

でもそうすると、ボスと手下の色合いが似通ってしまい、ボスが目立たない。

スターウォーズでは、ダースベイダーを目立たせるために敢えてストームトルーパーを真っ白にしたというのです。

 

スターウォーズファンの男の子たちもそこまで考えたことがなかったようでした。

 

そして、食事のシーン。

これはスターウォーズとジブリ作品を比べると違いが大きく出ていました。

スターウォーズの食事は、あまり美味しくなさそうで暗い雰囲気。

ジブリ(例えば天空の城ラピュタ)のシーンは美味しそうで楽しそう。

 

なんとそれは、監督(ジョージ・ルーカスと宮崎駿)の持つ感覚の違いが反映されている、というのです。

作り手がどのような人生を歩んできて、どう思って作品を作っているかによって出来上がってくるものは違ってくる。

映像作品の裏には、そんなものまで読み取ることができるんですね。

 

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その後、『となりのトトロ』でさらに宮崎駿監督のことについて解説してもらって、前半のお話を終えました。

 

和田さんのお話で「一人ひとりがメディアである」ことや「人には自分が信じたいものを信じるという癖がある」ということを聞き、また映像制作にどれだけの思いが反映されているかを知ることができました。

 

休憩をはさんで、後半はワークショップをしていただきました。

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グループに分かれて、模造紙を真ん中に座ります。

まずは「好きな映像作品を他の人に紹介する」というテーマで話しました。

それぞれが作品をひとつ選び、順番に内容を説明して好きな理由を伝えました。

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そういう話をするのも、聞くのも、普段の生活中では意外と少ないことです。

特に趣味が違う人の話を聞くのは新鮮でした。

アニメの話から映画やドラマの話まで、それぞれの趣味嗜好がよく出ていました。

 

 

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次は、模造紙に大きな長方形を描いて、「好きなシーンを描いてそれを説明する」ということをやりました。

 

シーンの映像と言われると、意外と思い出せなかったりします。

それでも懸命に絵にして伝え合いました。

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シリーズもののオープニングシーンをあえて挙げた人もいて、

これが出てくるといつも「始まる!」という感じでわくわくする、という話や、

エンディングのシーンの印象を語った人や、実に様々でした。

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映像作品にもっと興味がわいた!という感想や、2コマもあったとは思えないくらいあっという間で楽しかった、という感想などがありました。

 

普段の生活の中にある映像作品を通して、それぞれの興味関心に触れ、そこから今までになかった視点に気付くことができる時間でした。

和田さん、ありがとうございました!(J.S.)