12月の科学実験のテーマは「大気圧」です。
「ストローで吸うと、飲み物が飲める。それはなぜか?」
「吸ったから」では答えになりません。どういう力が働いているのかを考えるのが科学です。
実は目には見えない大気圧というものがあって、それが水面を押しているため、吸うことができるのです。
それを確かめるために実験をしました。
何もなければ吸うことができます。
弁のついた管を使って、容器の中の空気を抜きます。
そうすると…
吸うことができませんでした。
空気があることで、そこに働いている力があることがわかりました。
では、大気圧とは一体何で、どれくらいの力なのか。
それを確かめるために、大気圧の発見をしたトリチェリーの実験に近い実験にチャレンジです。
洗面器に水を入れ、更に細長いガラスの容器に水を入れ、入り口に蓋をして水に沈めて水中で蓋を開けます。
そうすると、水が漏れて溢れてしまうのでしょうか…!?
そんなことはありません。
これは、細長い容器に入っている水の重さよりも強い力で大気圧が水面を押しているということを示しています。
でも、その時の力は一体どれほどのものなのか?
それを確かめるためにトリチェリーは、密度が高い液体である水銀(Hg)を利用しました。
実は同じことを水銀で行うと、高さが76cmになることがわかったのです。
つまり、その水銀の重さがわかると大気圧の力がわかるのです。
それを計算しました。
ところで、大気圧がかかっているのに、手をかざしても、重みを感じないのはなぜでしょう…!?
それは、実はいろんな方向から同じだけの圧力がかかっていて、バランスが取れているからです。
そこで、その力も確かめようということで手のひらにかかる圧力を計算しました。
手のひらの型をとって、マス目を数えて面積を出します。
それに大気圧をかけて、それぞれの手のひらにかかる圧力を計算しました。
続いて、大気圧の不思議を感じられる、さまざまな遊びを体験しました。
こちらはペットボトルの中の空気を抜いてみました。バキバキッと音を鳴らしながらペットボトルが見る見るうちに変形していきました。
逆に、膨らませてもみました。コンッコンッ! 机に当てると音が高く鳴り響きます。
いつペットボトルが破裂するか、と机の下に潜りこむ中学生。
空気を抜くことを、同じようにして一人ひとりやってみました。
今度は透明の筒の先に掌を当てて、同様に空気を抜きます。
すると、まるで肉球でも出来たように、見事に掌が引っ張られて筒がくっつきました。
こちらは透明のラップを筒の先につけて、同様に空気を抜いていくと…
パチンッ! 高い音が鳴って、ラップが弾けながら破けました。
「これでいいラップかどうか調べることもできるんだ。」
と先ほどの100均のラップに替えて、それと比べるとちょっとお値段の高いラップを筒の先につけて空気を抜きます。
なかなかラップが弾けず、大きな音がなる予感に思わず耳に手を当てる子たち。
どれだけやってもラップは破れず、最後は鉛筆の先を突き立てて…
バンッ!!!
さっきの100均のラップの何倍もの大きな音が鳴り響きました。
続いて、吸盤を引っ張ってみた後、吸盤と下敷きがくっ付いたものを取り出した江角さん。
これを机の上に置いてみると…不思議。どんなに引っ張っても取れません!
「さあ、これもこの下敷きのところに大気圧がかかっているから取れないんだよ。一体どれだけの力がかかっているか、わかるかい?」
先ほどの大気圧についての知識を活用して計算してみたところ、なんと600㎏もの力がかかっていることがわかってビックリ。
マグデブルグの半球という装置も教えてくれました。これは両端を馬8頭で引っ張ってようやく外れるもののようです。
こちらは、ビンの空気を抜くことで風船が膨らむという不思議な実験。
やっぱり科学実験は楽しいですね。大気圧の不思議にワクワクしっぱなしの時間でした。
(J.S&D.H)
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(担当:佐野)