11.3 DVD『明日の学校に向かって』鑑賞会


11月3日はイエナ関西の皆さんとの共催で、DVD『明日の学校に向かって-オランダ・イエナプラン教育に学ぶ-』の鑑賞会を開きました。イエナプラン教育とは、ドイツで始まりオランダで広まったオルタナティブ教育の一つで、わたしたちの学校でも取り組みの参考にしています。このDVDはリヒテルズ直子さんが監修され、「世界でもオランダ・イエナプラン教育について、ここまで詳細に取材されたDVDはない」と語られている内容。合計約180分間、実に濃密な内容が詰まったものでした。

 

今回このDVD鑑賞会に集まってくださったのは、26名。こどもの森学園のスタッフ・運営委員、イエナ関西の皆さんのみならず、公立小学校の先生、私塾を経営されている方、学校外の子どもの学び場を運営されている方、企業に勤めていらっしゃる方など。オルタナティブ教育や公教育、学校の内外という垣根を越えた多様な立場にいらっしゃる皆さんが集まってくださいました。

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基礎編では、学校は「社会に出るための練習の場」「生と学びの共同体」であることが述べられ、それらを体現するための具体的な取り組みについても詳細に取り上げられました。また、考え方の部分も詳しく語られました。

 

●「はじめから全てを子どもに任せることはせず、徐々に子どもが決めて自立的に学ぶことができるようにしていく」ということ。

●ワールドオリエンテーションでは「答え」ではなく「問う」ことを学ぶこと。

●イエナプランはビジョンであり、成長するためのモデルであること。

 

その他にも、とても考えさせられる内容が盛りだくさんでした。

 

応用編では、マルチプルインテリジェンス(多重性知能)の8つのスマート、マッチ&ストレッチの考え方、ペダゴジカル・シチュエーション(教育学的環境)など、さらに深く理論的な内容にも踏み込まれました。

 

●マルチプルインテリジェンスの考え方を知っていることで、こどもたちを多方面から見られるようになること。

●「マッチ(認める)」も「ストレッチ(引き出す)」も大事であること。

●学びのプロセスに焦点化し、それをよりよくするために教育的によく考えられた環境づくりをすることが大切であること。

●イエナプラン教育の8つのミニマム条件の内の2つ

・「インクルージョン」・・・才能、年齢、異文化、社会的階層、障害の有無、価値観…それらが違うからこそ学びがあると考えること

・「真正性」・・・生きた教材、あるがままの人間としての教員、2つがホンモノであることを大切にすること

 

参加者の皆さんのメモをする手が止まりませんでした。

 

特典映像では、

●イエナプランは社会変革を練習するための場でもあること。

●教員が子どもたちのすることを同じレベルで体験していることが大事であること。

●パッション・希望をもって諦めないこと。

など、こちらも本当に書ききれない程、熱く、示唆に富む内容が語られました。

 

その後、グループでの感想のシェアも大いに盛り上がりました。時間がもっと欲しいなあ、と感じました。わたしたちの学校が設立当時から参考にしているフレネ教育とイエナプラン教育の共通点、公立学校の中でイエナプラン教育に通じる実践をされている方の話なども語られました。 最後は、全体でサークルになって対話。「学校を設立したい」と考えている方の発言などもあり、新しい教育が今の時代に求められているのだなあ、という印象を受けました。

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今回のDVD鑑賞会は、同じ内容で12月3日(土)にも開催します。申し込みは下記のFacebookページからどうぞ。

https://www.facebook.com/events/210883735999388/

来年1月29日には、リヒテルズ直子さんがわたしたちの学校に来てくださり、講演会&ワークショップをしてくださいます。これからも、さまざまな教育、さまざまな立場の人に学びつつ、よりよい学校づくりを進めていきたいです。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

(D.H)