自由作文と音読


ことば共同では、「伝える」と「聴く」を大事にしています。
具体的には、自由作文と音読を発表した後、意見交換をしています。
自由作文は、作文の表現力を高めるという学習ではなく、自由作文をめぐって子どもたち(大人も含めた)の関わりを育てていく関係づくりの学習です。そして、「私」を語ることから、「私」と関わっている世界へ探求していくことが求められ、自然、人間、社会を見つめる目を養い知的な学びにつながっていくものとされています。
今日は、一人の男の子が「スーパーボール」という自由作文を発表しました。
「OOがスーパーボールをなげて、めにあたってこわかった」という内容でした。
「何にが怖かったん?階段おりるの?階段おりられへんって泣いてて、おろしてあげたやん」
「ちがう!階段は、目があけられへんかったから、おりられへんかっただけで、あたったのがこわかった」
「どんな風にとんできたん?」
「あのな、こっちあたって、こうあたって、それでとんできた」
「まっすぐとんできたんちがうん?」
「ちがうねん。階段の下から投げてきて、かべにこうあたって、こうあたって、それでとんできた」
「あ~、全然ちがうとこからとんできたから、こわかったんや~」
「あのな、目に当たるときスローモーションみたいに見えた?」
「へえ~、スローモーションみたいに見えたんや~」
「そう、こうやって、スローモーションみたいに見えた」
「それは、怖そうやな~」
「当たるときまで、見えてた」
「そうなんや。はねかえってきただけじゃなく、スローモーションみたいに当たる瞬間まで見えてたからこわかったんや」
「うん」
短い文章でしたが、書いた男の子がどうして怖いと感じたのかをみんな理解することができました。発表した男の子も、自分の気持ちを言葉にして確認することができ、すがすがしい顔をしていました。