ハイカラで盛り上がりました


 箕面こどもの森学園では、学校の行事やルールを全校集会で話し合って決めます。全校集会には、だれでも自由に議題を書き込むことができます。
 
 前回の全校集会で、「カラオケに行きこう」という提案を、カラオケ好きの男の子がしました。
 「なんでカラオケに行きたいん?家で行ってるんやからいいやん。」
 「家でもいってるけど、みんなと行きたい。どんな歌、歌うかとか知りたいし・・・」
 賛成の人と反対の人がそれぞれ意見を言いました。
 「うちも、カラオケ行きたい。楽しいで。」
 「私は、カラオケ行ったことないけど、ハイカラっていうカラオケの機械がうちにあって、それで慣れてるから、行きたい。」
 「行きたくない。だってな~、あんま行ったことないし、そういうの嫌い。」
 「暗いところとか、機械がいっぱいあるとことは、苦手。」
 「え~、行こうや~。行ったらおもろいって。」
 「嫌や。行ったことないもん。」
 話は平行線になりました。すると、ハイカラというカラオケの機械をもっているという女の子が、「別に持ってきてもいいんやったら、持ってきてもいいけど・・・」と言い出しました。
 「その機械ってさ、どんなん?」
 「テレビとかにつないで、カラオケみたいになる。」
 「曲って、いっぱいあるん?」
 「パソコンからとって、入れなあかん。」
 「点数ってでるん?」
 「でるよ。」
 「へえ~。」
 話し合いの結果、「嫌な人がいるので、カラオケに行くのはやめる。家の人に聞いて、ハイカラを貸してもらえるようなら、借りて、休み時間にやる。」ことが決まりました。
 今日、その女の子がハイカラをもってきてくれました。こどもたちは、休み時間、ハイカラで盛り上がっていました。
 交代で歌い、人が歌っているときも、音楽室からもってきたマラカス、タンバリン、カスタネットなどで、リズムをとって口ずさんでいました。人が選んだ曲を茶化すこともなく、点数がでるのですが、何点でもおおらかにとらえて楽しんでいました。
 ハイカラを持ってきた女の子は、真ん中で全身でリズムをとっていたし、自分を表現するのが苦手な男の子が、マイクを片手に大きな声で歌を歌い、「楽しかった~」と言っていました。
 提案者の男の子も熱唱。友達と歌えて、満足したようでした。
 提案を仲間がきいてくれて、それを全員が納得できる形にして受け入れてもらえたこと、自分が普段家で楽しんでいることを友達と一緒に楽しめたこと、自分を表現してもあたたかく受け入れてもらえたこと、それらの経験が、子どもたち同士の関係を深めていくのだと思いました。
2009-5-15 005