1年男の子「これ、おれのやで」
1年男の子「ちがうで」
どうやら、ひとつのベイブレードをめぐって、取り合っている様子。
両者一歩も譲らず、1人はぎゅっとにぎったまま。もう1人はそれをとり戻りたそうに見ています。
その様子をお弁当を食べながら見ていた3年生の男の子ふたり。
3年男の子「じゃんけんしたらいいやん」
言われるまま、1年生たちはじゃんけんをしました。
勝って嬉しそうな子。負けた子は不服そう。
すると、
負けた1年生「ぼくじゃんけんで決めていいって言ってなかった」
確かにその通り。
解決方法を当事者たちが納得しているかどうかって、とても重要なところです。
ちょっと困った様子で3年生たちが1年生のそばへ寄ってきました。
3年男の子「どうしたかったん?」
そう聞かれて1年生のふたりは、事情を説明し始めました。
1つのパーツをどちらの子も使いたかったのです。
3年男の子「そのパーツもうひとつあるで。◯◯くんが使ってたで」
そう言ってその3年生は、ベイブレードを片付けてある場所まで探しに行きました。 そしてまた戻ってきて、何やらベイブレードを組み立て始めました。
その様子を見ていた、2年生の男の子がひと言。
「あ、サルトラや。」
そう言って、去年の2学期に「平和」の学習で取り扱った3色の帽子を思い出し、学習室にあった帽子を取ってきて、
怒っている人に赤の帽子を、
我慢している人に青の帽子を、
仲裁に入った3年生に黄色の帽子をかぶせました。
サルトラとは、その時に行った対立のワークショップ「サルトラ劇場」で出てきた、サルとトラのキャラクターのことです。
※参照)3色の帽子ブログ https://kodomono-mori.com/blog/?p=9707
1年生たちはしばらく3年生たちのしていることを見ていましたが、そのうちすっかり落ち着いて、また二人でベイブレードで遊び始めました。
どうやら、問題が解決したようです。
おもちゃをめぐって対立していた1年生。
それを見かねて間に入り、話を聞いて穏やかに解決へと導いた3年生。
その様子を横で見て、3色の帽子を当てはめて考えた2年生。
テーマの時間に学んだことが、こうやって日常の中に生かされ、まだ学んでいない1年生にも体験として伝わっていく。 おまけに縦割りの良さも再確認でき、 とても嬉しい出来事でした。
(A.M)