ゴカンdeフルーツ!Manabee共育プログラム*Dチーム*


Manabeeプログラム、最終グループの共育プログラムが実施され、参加者の方がブログを書いてくださいました!

「ゴカンdeフルーツ」という、聞いただけで楽しくなってくるプログラム。

さて、どんな様子だったのでしょう(^^)

 

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今年の6月から始まった自己肯定感・自己決定・対話・ESDを実現する「学び場コーディネーターManabeeプログラム」。

その中で習得したことを活かし、参加メンバー自身で考えたプログラムを子どもたちの前で実施する共育プログラムが始まりました。

 

Dチーム(しげっち,たがみん,のんちゃん,がわしの4名)は「ゴカン de フルーツ」と題し,

五感を知ることと,五感のうちの一部を使わずにフルーツを食べてみることを通じて,五感を働かせることの意味を考えるプログラムを,

小学部プロジェクト(高学年対象)として実施しました。

もともと五感(感覚器官)は,動物が外界からの刺激(シグナル)に適切に反応して生き残るために発達してきたもので,

五感は生きる上で大切なことです。

しかし現代社会では,自分の身体(感覚器官)がキャッチしたものを,それとして受け止めることがしにくくなっています。

 

このプログラムへは,ありがたいことに高学年のほとんどの子たちが参加を申し込んでくれました!

まずは,主催メンバーの入場時に,なぜかたがみんがアイマスクで目隠しをしたまま,がわしに手を引かれて登場。

そのたがみんの司会のもと,自分が好きなフルーツをどれくれらい好きかを全身で表現してもらいました。

その後,しげっちによる五感についてのレクチャーがはじまります。

「感覚ってなんだろう」

「感覚器官ってなんだろう」

「五感ってなんだろう」としげっちが問いかけると,子どもたちから次々に答えが飛んできて,

目(見る・視覚)

耳(聞く・聴覚)

舌(味わう・味覚)

鼻(嗅ぐ・嗅覚)

皮膚(触れる・触覚) と,

たちまち感覚とそのための感覚器官が揃っていきます。

それにしたがって,しげっちがKPシートを貼り出していきます。

 

「五感でキャッチしたものを表す言葉を書いてみましょう」と促すと,

子どもたちは

「大きい」

「ザラザラ」

「くさい」

「あかるい」

といったことを,のんちゃんがつくったワークシートに書き込んでいました。

最も少ない子でも3つ,最も多い子では15の言葉を書き込んでいました。

次に,2つのグループに分かれて,五感の一部を働かないようにしてフルーツを食べてみる実験に移りました。

最初はアイマスクをして鼻をつまんで視覚と嗅覚が働かないようにして,

次に視覚だけ働かないようにして,

最後は五感をフルに使ってフルーツを食べてみます。

  

この実験に用いられたフルーツは,りんご,洋梨,柿。

Aグループはりんごと柿を,Bグループはりんごと洋梨を食べてみます。

もちろん,アイマスクをしているので,自分で食べることが難しいので,相手チームに食べさせてもらいます。

なお,このアイマスクはフェルト製でのんちゃんの手作りです。

  

この実験結果を発表してもらうと,視覚と嗅覚が働かないようにすると

「果物の風味がない」

「味が薄かった」。

 

視覚だけ働かないようにすると

「おいしかった」

「味が濃くなった」

「嗅覚が敏感になった」。

 

五感をフルに使うと

「思った通りの味でおいしかった」

「一番おいしかった」

「わかった」

といった感想がみられました。

 

視覚と嗅覚が食べる上でも大事な役割を果たしていることを確認した後,今回まだ使っていない触覚のみを使った実験にとりくみます。

先ほど試食したりんごや洋梨,柿の他にみかんが巾着袋にそれぞれ1つずつ入っています。

  

りんごやみかんは触った途端に表情が変わって「あっ,わかった」となり,

洋梨は「ん?なんだこれ」となってよく触って形を確かめることが多かったようです。

 

仕上げとして,五感をフルに働かせてゆっくり食べる実験をしました。

全員にイチゴが配られ,イチゴ1つを3分かけて食べてみました。

  

参加した子どもたちは,時間をかけて食べることに慣れていないようでしたが,

「イチゴをこんなに味わったのは初めて」

「いつも早く食べているけどたまにはゆっくり五感を使って食べるのもいいと思う」

と書いてくれた子がいたところからすると,五感をフルに働かせてみる経験になったようです。

 

最後に,全員が感想をシェアしました。

「五感の5こがわかってよかった」

「鼻をつまんだり,目をつむったりしただけで,味が変わるのはすごいなと思った」

「目の見えない人の気持ちがわかった」

「頭脳と五感を連携させないと行動できない」

「五感は人が生きていくために必要だと思った」

「家でもこの実験をやってみよう」

といった発言がありました。

参加した子どもたちの発言内容が多角的で多様で,自分と相手が感じたことや考えたことを大事にしていることが伝わりました。

 

うれしいことに,プログラム終了後に,私たちが片付けているところに顔を出して

「おもしろかった。またやってください」と言ってきた子もいました。

 

私たちは今回のプログラムで,五感を働かせることの意味を考えることをめざしましたが,

それはおおむね達成されたどころか,私たち主催者の予想を超えて,

五感が生きることや頭脳(知識)との関係,五感の一部を失った人への共感に達したのは,正直驚きました。(S.H)